「日立市の不動産価格ってこの先どうなるの?」「人口が減っているのに地価が上がっているエリアがあるって本当?」――日立市で家や土地の売却・購入を考えるとき、多くの方がこうした疑問を持たれます。この記事では、茨城県統計課・総務省統計局の国勢調査・国交省の公示地価という一次データをもとに、日立市の人口と地価がこの40年でどう変化してきたのかを長期の目線で整理しました。断定的な将来予測は避け、公表されている実データを中心にご紹介します。
日立市の人口はどう変化してきたか
現在の常住人口・世帯数
茨城県統計課「市町村のデータ(日立市)」によると、日立市の常住人口は158,742人・世帯数75,805世帯(令和8年4月1日現在)です。面積は225.73平方キロメートル(令和8年1月1日現在)で、人口密度は1平方キロメートルあたり703.2人となっています。

国勢調査でたどる40年間の人口推移
総務省統計局「国勢調査」による日立市の人口は、茨城県統計課の資料で以下のように公表されています。
| 調査年 | 人口(人) |
|---|---|
| 昭和60年(1985年) | 218,111 |
| 平成2年(1990年) | 215,069 |
| 平成7年(1995年) | 212,304 |
| 平成12年(2000年) | 206,589 |
| 平成17年(2005年) | 199,218 |
| 平成22年(2010年) | 193,129 |
| 平成27年(2015年) | 185,054 |
| 令和2年(2020年) | 174,508 |
この表からわかる通り、日立市の人口は昭和60年(1985年)の218,111人から令和2年(2020年)の174,508人まで、35年間で約43,600人(率にして約2割)減少しています。市の統計資料「日立市の人口のうつりかわり~明治から令和まで~」でも触れられている通り、国勢調査ベースではさらにさかのぼった昭和58年(1983年)の206,260人前後がピーク圏だったとされ、それ以降は一貫して減少傾向が続いています(茨城県統計課データの起点である昭和60年時点で既に218,111人という水準ですが、市独自資料ではこれより前の時期にピークがあったとする整理もあり、資料によって基準年が異なる点にはご留意ください)。
なぜ日立市は人口減少が続いているのか
日立市は日立製作所の創業地であり、典型的な「企業城下町」として発展してきた歴史があります。市域は海から山まで高低差が大きく、平坦な土地が少ないという地理的な制約に加え、基幹産業であった製造業の再編(発電システム事業の統合や関連会社の再編など)が雇用構造に影響し、若年層を中心とした市外への転出が続いてきたことが、人口減少の背景として指摘されています。特定の要因だけで説明できるものではなく、全国の地方工業都市に共通する構造的な変化の一つと捉えるのが妥当でしょう。
年齢別人口割合と高齢化の状況
茨城県統計課の資料(令和7年10月1日現在)によると、日立市の年齢別人口割合は15歳未満8.8%・15〜64歳56.2%・65歳以上35.0%です。65歳以上が3人に1人を超える水準まで進んでおり、県平均や近隣市と比べても高齢化が進んでいる地域の一つです。人口動態(県医療政策課「茨城県人口動態統計」令和6年)では、出生数639人に対し死亡数2,659人となっており、自然減の傾向も明確です。
産業別就業人口の構成
総務省統計局「国勢調査」(令和2年)による産業別就業人口割合は、第1次産業1.18%・第2次産業34.50%・第3次産業64.32%です。製造業を中心とした第2次産業の比率は県内でも高い水準にあり、日立市が今なお「ものづくりのまち」としての性格を強く持っていることがうかがえます。
日立市の地価はどう推移してきたか
2026年の公示地価水準
民間の地価集計サイトが公表する国交省地価公示データによると、日立市の2026年(令和8年)公示地価平均は37,398円/m²(坪あたり約12.4万円)・前年比−0.22%です。用途別では住宅地が小幅な下落となる一方、工業地は+0.41%とプラスに転じており、用途によって明暗が分かれています。地価は地点や地域による差が大きいため、あくまで市全体の目安としてご覧ください。

40年間で見る地価のピークと現在地
国交省地価公示の集計データ(1983年〜2026年の43年間)によると、日立市の公示地価平均は1994年(平成6年)の118,879円/m²が過去最高値で、その後は長期的な下落局面に入り、2024年(令和6年)に37,264円/m²で底を打ったとみられます。ピーク時と直近の最安値を比べると約3.19倍の差があり、バブル期以降の30年で地価が大きく調整されたことが読み取れます。2026年時点の37,398円/m²は、この底値からわずかに持ち直した水準といえます。
「人口減少」と「地価」の関係をどう見るか
日立市では人口減少が40年近く続く一方、地価の下落はバブル崩壊後の90年代半ば以降に本格化しており、両者の変化のタイミングは必ずしも一致していません。地価は人口動態だけでなく、地域の産業構造・世帯数の動き・建築費や金利といった市況要因、エリアごとの利便性など複数の要因が絡み合って決まります。日立市の場合、人口減少が先行し、地価はやや遅れてバブル崩壊の影響を強く受けた形で下落したと捉えるのが、公表データからは妥当な見方です。将来の地価動向を一つの要因だけで断定することは避け、複数の指標を継続的に確認することをおすすめします。
エリア別に見る地価の傾向
日立市内でも地価は一様ではありません。最高価格地点は幸町一丁目3番5(86,300円/m²)で、日立駅に近い中心市街地は比較的高い水準を維持しています。一方、最低価格地点は東奥町字石(9,350円/m²)で、市の周辺部・山側エリアとの間には9倍以上の開きがあります。日立駅周辺の土地相場については、坪単価の動向を扱った別記事「日立駅の土地相場」でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
財政指標から見る市の体力
県市町村課「市町村決算の概要」によると、日立市の財政力指数は0.77(令和6年度)、義務的経費比率は49.4%(令和6年度)です。歳入85,858百万円・歳出81,902百万円(令和6年度決算)という規模感であり、県内の中核的な市として一定の財政基盤を維持しています。
県北エリア内での日立市の位置づけ
日立市は茨城県北部(県北エリア)の中心都市であり、県北エリア6市町(日立市・常陸太田市・常陸大宮市・高萩市・北茨城市・大子町)の中では突出して人口規模が大きい自治体です。人口密度(703.2人/km²)も県北エリアの中では高い水準にあり、市街地は日立駅周辺・常陸多賀駅周辺・大甕駅周辺に集中しています。一方で市域の約6割を山林が占めるため、平坦な宅地は駅周辺や谷あいの限られたエリアに集約される傾向があります。
経済・産業データから見る日立市の今
年間商品販売額の推移
総務省統計局・経済産業省の調査を基にした年間商品販売額(単位:億円)は、平成9年6,493億円から令和2年3,176億円まで、約20年余りで半分以下の水準に減少しています。人口減少・郊外型店舗の増減・調査方法の変更(経済センサス-活動調査への移行)など複数の要因が影響しているため、単純な右肩下がりと捉えるのではなく、調査方法の違いも踏まえて参考値として見る必要があります。
製造品出荷額等の推移
県統計課・経済産業省の調査による製造品出荷額等(従業員4人以上、単位:億円)は、平成12年12,046億円、平成22年13,970億円、令和5年13,044億円と推移しています。年による増減はあるものの、日立市が今なお1兆円を超える製造品出荷額を持つ「ものづくりのまち」であることに変わりはありません。
土地利用の状況
県市町村課「茨城県市町村概況」(令和6年1月1日現在)によると、日立市の土地利用は農地5.5%・宅地15.3%・山林59.2%・その他20.0%です。市域の約6割を山林が占めており、平坦な宅地が限られていることが、住宅地としての土地の希少性・価格形成にも影響していると考えられます。
人口減少局面で増える「空き家」という課題
日立市独自の空き家実態調査では、空き家戸数が平成28年の2,878戸から令和3年には4,214戸へと増加していることが確認されています(総務省の住宅・土地統計調査とは調査方法が異なるため、単純比較はできませんが、増加傾向にあることは共通しています)。市では「空き家解体補助金(宅地再生創出型・利活用型)」「空き家利活用リフォーム補助金」「空き家流通バンク」といった制度を設け、老朽化した空き家の除却と、使える空き家の流通促進の両面から対策を進めています。制度の詳細は「日立市の空き家解体補助金」の記事で解説していますので、実家や空き家の扱いにお悩みの方はあわせてご確認ください。
日立市の住みやすさをもっと知りたい方へ
本記事では人口・地価という数値データに絞ってご紹介しましたが、日立市の交通アクセス・子育て支援・エリア別の特徴・防災情報など、暮らしの全体像は「日立市の住みやすさ|6つの無料・アクセス・地価【2026】」で詳しくまとめています。引っ越しや住み替えを検討されている方は、あわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 日立市の人口は今も減り続けていますか?
茨城県統計課のデータでは、日立市の常住人口は158,742人(令和8年4月1日現在)です。国勢調査ベースでは昭和60年(1985年)の218,111人から令和2年(2020年)の174,508人まで一貫して減少しており、最新の常住人口調査でも同様の傾向が続いています。今後の推計値については市の人口ビジョン等の資料もあわせてご確認ください。
Q. 日立市の地価は今後上がりますか、下がりますか?
2026年(令和8年)の公示地価平均は37,398円/m²・前年比−0.22%で、用途別では住宅地がわずかに下落、工業地は+0.41%とプラスに転じています。地価はエリアや個別の土地条件によって差が大きく、将来の動向を一律に予測することはできません。売却をご検討の際は、対象エリアの実勢価格を個別に確認することをおすすめします。
Q. 人口が減っているのに地価が下げ止まっているのはなぜですか?
地価は人口動態だけでなく、地域の産業構造・世帯数の動き・建築費や金利といった市況要因、エリアごとの利便性など複数の要因で決まります。日立市の場合、1994年のピークからバブル崩壊後に大きく下落し、2024年に底を打ってわずかに持ち直している状況で、人口減少のタイミングとは必ずしも一致していません。
Q. 日立市内でも地価に差はありますか?
あります。国交省地価公示によると、日立市内の最高価格地点は幸町一丁目(86,300円/m²)で日立駅に近い中心市街地が高め、最低価格地点は東奥町字石(9,350円/m²)で市の周辺部・山側エリアが低めとなっており、9倍以上の開きがあります。
Q. 日立市はどんな産業のまちですか?
日立市は日立製作所の創業地であり、製造業を中心とした「ものづくりのまち」として発展してきました。国勢調査(令和2年)の産業別就業人口割合では第2次産業が34.50%を占め、県内でも高い水準です。製造品出荷額等も1兆円を超える規模を維持しています。
Q. 日立市の高齢化はどの程度進んでいますか?
茨城県統計課の資料(令和7年10月1日現在)によると、65歳以上の人口割合は35.0%で、市民の3人に1人以上が高齢者という水準です。出生数639人に対し死亡数2,659人(令和6年)と、自然減の傾向も明確になっています。
Q. 日立市の空き家は増えていますか?
市独自の空き家実態調査では、空き家戸数が平成28年の2,878戸から令和3年には4,214戸へと増加していることが確認されています。市では解体補助金・リフォーム補助金・空き家流通バンクなどの制度で対応を進めています。
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