「日立市に家を買おうと思っているけれど、海側と山側でハザードの状況はどれくらい違うの?」——不動産のご相談を受けていると、こうした質問をよく耳にします。日立市は太平洋に面した沿岸部から山あいの十王地区まで地形の起伏が大きく、エリアによって想定される災害リスクがはっきり異なるまちです。この記事では、日立市が公開している最新の地区別防災マップ・洪水ハザードマップ・避難所情報などの一次情報をもとに、日立市の防災・ハザードマップの見方と、家を売る・買う・持ち続けるときに知っておきたいポイントを整理します。
日立市の基礎データ|人口158,742人・面積225.73km²の「南北に長い」まち
茨城県統計課の発表によると、2026年4月1日時点の日立市の人口は158,742人、世帯数は75,805世帯です※1(茨城県常住人口調査)。面積は225.73km²で、太平洋沿岸に沿って南北に細長い市域を持つことが大きな特徴です。北は十王地区の山間部から、南は大みか・久慈地区まで、海岸線・平地・山地が入り混じる地形のため、同じ日立市内でも住所によって想定される災害の種類や規模が大きく変わります。
日立市の人口・地価の長期推移については日立市の人口と地価の推移|企業城下町の変化を長期データで見る【2026】で詳しく解説しています。
地区別防災マップ|市内8地区に分けたハザード情報
日立市は、洪水・内水・土砂災害・津波の災害リスクが一目でわかる「地区別防災マップ」を作成し、令和5年3月20日号の市報と同時に配布しています※2(日立市公式サイト「地区別防災マップ・総合防災マップのご案内」、令和7年10月8日更新)。市内を次の8つの地区に分類しており、表面に各種ハザードエリアが記された地図、裏面に防災に関する情報が記載されています。
- 01 十王地区(沿岸部)
- 02 十王地区(山間部)
- 03 豊浦・日高学区
- 04 田尻・滑川・宮田・仲町・中小路学区
- 05 中里学区
- 06 助川・会瀬・成沢・諏訪・油縄子学区
- 07 大久保・河原子・塙山・大沼・金沢・水木学区
- 08 大みか・久慈学区、坂下地区
マップは市役所防災対策課(4階)や各交流センターで受け取れるほか、日立市公式サイトから地区ごとにPDFでダウンロードできます。ご自宅や検討中の物件がどの地区に属するかを確認し、該当するマップで危険箇所を確かめておくと安心です。

洪水ハザードマップ|県管理河川11河川の浸水想定区域
茨城県が管理する二級河川等(11河川)の洪水浸水想定区域が令和7年3月28日に公表されたことを受け、日立市では河川別の洪水ハザードマップを作成しています※2。ただし、令和5年配布の地区別防災マップにはこの最新情報が反映されていないため、住所地のハザード情報を正確に知りたい場合は、次にご紹介する「web版ハザードマップ」で住所検索を行う方法がすすめられています。
web版ハザードマップでできること
日立市公式サイトの「日立市WEB版ハザードマップ」では、パソコンやスマートフォンから住所を入力するだけで、洪水・大雨浸水・土砂災害・津波のリスクを地図上で確認できます。市内全域が対象になっており、不動産を検討する際は物件の住所で一度検索しておくことをおすすめします。
土砂災害・津波ハザードマップ|山間部と沿岸部で異なるリスク
日立市は前述のとおり山地と海岸線が近接する地形のため、土砂災害と津波という性質の異なる2つのリスクに同時に備える必要があるまちです。
土砂災害警戒区域
十王地区や中里学区など山あいのエリアでは、急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)に関する土砂災害警戒区域が指定されています。茨城県公式サイトでは「土砂災害警戒区域等指定箇所」として日立市内の指定箇所を公開しており、急傾斜地に近い物件を検討する際は事前確認が欠かせません。
津波ハザード
十王地区(沿岸部)、大久保・河原子・塙山・大沼・金沢・水木学区、大みか・久慈学区など海に面したエリアでは、津波による浸水想定区域が地区別防災マップに記載されています。沿岸部の物件では、津波リスクとあわせて避難場所までの距離・経路も確認しておくと安心です。
地震ハザードマップ|揺れやすさ・建物倒壊率マップ
日立市は令和5年3月に、地震の際の揺れやすさと建物倒壊率を示す新しい地震ハザードマップを作成しています※2。総合防災マップの39〜40ページに収録されており、地盤の特性によって揺れやすさが地区ごとに異なることが示されています。中古住宅の購入を検討する際は、築年数だけでなく、建築時期の耐震基準(昭和56年5月31日以前かどうか)とあわせて確認すると判断材料が増えます。
総合防災マップ|全48ページに情報を集約
日立市は、全地区の地区別防災マップ、洪水・内水などの各種ハザードマップ、防災の基本知識などを1冊にまとめた「総合防災マップ」(全48ページ)を作成しています※2。市民向けの配布は行っていませんが、市役所防災対策課、各交流センター、各支所、各図書館で閲覧できるほか、日立市公式サイトから全ページまたは章ごとにPDFでダウンロードできます。
総合防災マップの構成は次のとおりです。
- 防災情報(P1〜10)
- 地区別防災マップ(P11〜28)
- 洪水ハザードマップ(P29〜32)
- 内水ハザードマップ(P33〜38)
- 揺れやすさ・建物倒壊率マップ(P39〜40)
- 避難施設一覧(P41〜42)
- 防災基礎知識(P43〜46)

避難所・避難場所|開設基準と洪水避難施設
日立市公式サイトの「避難所」ページでは、避難所の開設基準、洪水避難施設の概要、災害時のペット同行避難などの情報がまとめられています※3。避難施設の詳細な一覧は、前述の総合防災マップ41〜42ページ「避難施設一覧」で確認できます。
また、日立市は「日立市防災WEBポータル」という外部サイトも運用しており、地震・波・洪水・土砂災害など災害種別ごとに、お住まいの地区で開設される避難所を検索できます。引っ越し前に一度、避難所までの距離や経路を実際に歩いて確認しておくことをおすすめします。
住宅浸水対策促進事業助成金|浸水リスクがある住宅向けの制度
日立市には「日立市住宅浸水対策促進事業助成金」という制度があります(制度の詳細・対象要件・助成額は年度により変わる可能性があるため、実際にご検討の際は日立市公式サイトまたは総務部防災対策課への確認をおすすめします)。浸水想定区域に該当する住宅をお持ちの方、またはこれから購入を検討される方は、こうした助成制度の有無もあわせてチェックしておくと安心です。
エリア別に見る、防災の観点からの物件選びのポイント
沿岸部(十王・会瀬・河原子・大みか等)
海に近い立地は眺望や生活利便に恵まれる一方、津波・高潮のハザードを確認しておく必要があります。同じ沿岸部でも、高台に位置するか低地に位置するかで想定浸水深が大きく異なるため、web版ハザードマップでの個別確認が欠かせません。
山間部(十王地区山間部・中里学区等)
自然に囲まれた落ち着いた環境が魅力ですが、急傾斜地に近い物件は土砂災害警戒区域に該当していないか確認が必要です。区域指定は茨城県公式サイトで随時更新されるため、購入前の最新確認をおすすめします。
市街地中心部(助川・鮎川・多賀周辺)
商業施設や日立駅・常陸多賀駅へのアクセスが良く、生活利便性の高いエリアです。内水(大雨による排水能力を超えた浸水)のリスクは地区によって差があるため、内水ハザードマップ(総合防災マップP33〜38)での確認が有効です。
日立市で家を売る・持つときに知っておきたいこと
ハザードマップの情報は、住宅を購入・維持するときだけでなく、売却を検討するときにも役立ちます。ハザードエリアに該当する物件でも、リスクを正しく開示し、耐震性・浸水対策の状況を整理して伝えることで、購入検討者の不安を軽減し、スムーズな取引につながるケースが多くあります。
ハウスドゥ 県庁水戸では、日立市を含む茨城県内で不動産の仲介・買取を行っています。相続・空き家・訳あり物件など、通常の仲介では売却が難しいケースでも自社で買取に対応できる点が強みです。ハザード情報の説明が必要な物件についても、重要事項説明で正確にお伝えしながら、売却を進めるお手伝いをしています。
日立市の空き家・実家の解体補助金については日立市の住宅補助金|耐震改修・ブロック塀・浄化槽・省エネ家電【2026年版】、日立市の子育て・教育環境については日立市の子育て・教育ガイド|マル福・保育所・学区【2026】もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 日立市のハザードマップはどこで見られますか?
A. 日立市公式サイトの「日立市WEB版ハザードマップ」で、住所を入力して洪水・大雨浸水・土砂災害・津波のリスクを確認できます。紙の地区別防災マップは市役所防災対策課や各交流センターで配布・閲覧できます。
Q. 沿岸部と山間部、どちらのリスクが高いですか?
A. 一概にどちらが高いとは言えません。沿岸部は津波・高潮、山間部は土砂災害というように、想定される災害の種類が異なります。物件ごとに個別確認することが大切です。
Q. ハザードエリアに該当する物件は売却できますか?
A. 売却は可能です。ハザード情報は重要事項説明で正確にお伝えする必要がありますが、それを理由に売却自体ができなくなるわけではありません。仲介・買取いずれの方法でも対応可能です。
Q. 地震ハザードマップはいつ作られたものですか?
A. 日立市の新しい地震ハザードマップ(揺れやすさ・建物倒壊率マップ)は令和5年3月に作成されたものです。総合防災マップの39〜40ページに収録されています。
Q. 浸水対策の助成金はありますか?
A. 「日立市住宅浸水対策促進事業助成金」という制度があります。対象要件や助成額は年度により見直される可能性があるため、日立市総務部防災対策課への確認をおすすめします。
Q. 避難所はどこで確認できますか?
A. 「日立市防災WEBポータル」で災害種別ごとに開設される避難所を検索できるほか、総合防災マップ41〜42ページの「避難施設一覧」でも確認できます。
日立市の不動産売却・買取・査定については日立市の不動産売却・買取・査定ページもご覧ください。
まとめ|日立市は「エリアごとの個別確認」が防災の基本
日立市は沿岸部から山間部まで地形の変化に富んだまちだからこそ、住所ごとにハザードの内容が大きく異なります。日立市公式サイトのweb版ハザードマップで個別に確認し、避難所や避難経路もあわせて把握しておくことが、暮らしの安心にも、将来の売却時の説明のしやすさにもつながります。
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