結論:土地を無償で譲渡すること自体は可能です。ただし「あげる」と言っても法律上は贈与にあたり、契約書の作成・所有権移転登記・税金(贈与税など)の確認が欠かせません。費用や税金の負担が「もらう側」に集中しやすい点を、先に理解しておくことが失敗を防ぐ近道です。
「使わない土地があるので、知人や親戚にあげたい」「土地を無料であげます、と誰かに引き取ってほしい」。水戸市周辺でも、相続した土地や使い道のない土地を手放したいというご相談は少なくありません。この記事では、土地の無償譲渡の進め方・かかる税金・引き取り手が見つからないときの選択肢を、はじめての方にも分かるようにまとめます。
この記事でわかること
- 土地を無償で譲る(土地あげます)とは何か
- 無償譲渡の流れと必要書類
- 贈与税・登録免許税・不動産取得税の目安
- 断られやすいケースと、代わりの手放し方
土地の無償譲渡(土地あげます)とは?
無償譲渡=法律上は「贈与」
お金を受け取らずに土地の所有権を相手に移すことを、一般に無償譲渡と呼びます。法律上は「贈与」にあたり、当事者の合意(贈与契約)と、所有権移転登記によって成立・完了します。
「土地あげます」「無料で土地を譲ります」の実際
「土地あげます」「無料 土地あげます」といった言葉で探す方は多い一方、実際に受け取り手を探すのは簡単ではありません。土地は持っているだけで固定資産税の負担があり、受け取る側にも登記費用や税金、その後の管理の手間が発生するためです。
タダより高くつく?もらう側の負担
無償でもらっても、次のような費用がかかります。
- 贈与税(基礎控除110万円を超える場合)
- 登録免許税(所有権移転登記)
- 不動産取得税(後日、県税事務所から通知)
- 毎年の固定資産税・都市計画税、草刈りなどの管理費
「あげる側」は感謝されるつもりでも、「もらう側」に思わぬ負担がかかる場合があるため、事前の説明が大切です。
土地を無償で譲渡する流れ(5ステップ)

ステップ1:譲渡先を決める
親族、知人、隣地の所有者、地域の方などが候補です。とくに隣地の所有者は、土地を一体で使えるメリットがあるため、話が進みやすい傾向があります。
ステップ2:境界・権利関係を確認する
登記簿(登記事項証明書)で、名義・地目・面積・抵当権などの権利を確認します。境界があいまいな場合、あとで隣地とのトラブルになりやすいため、測量図や境界標も見ておきましょう。
ステップ3:税金を試算する
贈与税・登録免許税・不動産取得税の目安を、事前に相手へ伝えます。贈与税の計算方法は不動産の生前贈与にかかる贈与税の計算方法で詳しく解説しています。
ステップ4:贈与契約書を作成する
引き渡しの時期、費用の負担者、条件(たとえば「草刈りを続けること」など)を書面に残します。書き方は不動産の贈与契約書の書き方と雛形が参考になります。
ステップ5:所有権移転登記を行う
法務局で、贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)が共同で申請します。司法書士に依頼するのが一般的です。登記が完了して初めて、名義がもらう側に移ります。
無償譲渡でかかる税金と費用

贈与税:もらう側にかかる
贈与税は、原則としてもらった側が納めます。暦年課税では1年間に110万円までの基礎控除があり、これを超えた部分に10〜55%の累進税率がかかります。土地の評価額(相続税評価額など)がいくらになるかで、負担が大きく変わります。贈与の考え方は生前贈与の現金は税務署にばれる?でも解説しています。
登録免許税:固定資産税評価額の2%が目安
贈与による所有権移転登記では、固定資産税評価額に対して原則2%の登録免許税がかかります(売買より税率が高くなるのが一般的です)。ほかに、司法書士への報酬も必要です。
不動産取得税:贈与でもかかる
相続とは異なり、贈与による取得には不動産取得税がかかります。土地は現在、軽減措置により評価額の3%が目安です(軽減措置には期限があるため、最新の情報を県税事務所などでご確認ください)。
土地の評価額はどう決まる?
贈与税を計算するときの土地の評価額は、路線価が設定されている地域では路線価方式、設定されていない地域では固定資産税評価額に一定の倍率を掛ける倍率方式で求めます。水戸市の郊外や農村部では倍率方式の土地も多く、評価額は市町村や地域によって異なります。あくまで目安ですが、贈与を検討する際は、まず固定資産税の納税通知書や評価証明書を確認して、評価額の見当をつけておくと安心です。
贈与税の申告と納付の時期
贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、もらった側が税務署へ行います。基礎控除内で税額が出ない場合は申告不要となりますが、相続時精算課税の適用を選ぶ場合などは申告が必要です。期限を過ぎると加算税などがかかる場合があるため、注意しましょう。
専門家の使い分け(司法書士・税理士・不動産会社)
登記手続きは司法書士、税金の判断は税理士、土地の価値や売却可否の見立ては不動産会社、と役割が分かれます。まず不動産会社で「売れる可能性があるか」「いくらくらいか」を確認し、そのうえで無償譲渡を選ぶ場合に、司法書士・税理士へ依頼する流れが無駄が少なく安心です。
あげる側の税金・注意点
個人から個人への贈与であれば、あげる側に譲渡所得税は原則かかりません。ただし、ローンの引き受けなど「負担付贈与」の場合や、法人への無償譲渡の場合は、時価で譲渡したものとみなされて課税されることがあります。あわせて、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、年の途中で譲る場合は日割りで精算する取り決めをしておくと揉めにくくなります。売却時の費用全般は水戸市で不動産を売るときにかかる費用と税金も参考にしてください。
時価より極端に安く譲ると「みなし贈与」に
「1円で売ったことにする」といった形でも、時価との差額が贈与とみなされ、贈与税が課されることがあります。安く譲るときほど、専門家に確認しておきましょう。
土地を無償で譲る側・もらう側のメリットとデメリット
無償譲渡は、お金のやり取りがない分、シンプルに見えます。しかし、あげる側ともらう側では、得られるものと負担するものがまったく違います。それぞれの立場のメリット・デメリットを整理しておきましょう。
あげる側のメリット
- 使っていない土地の固定資産税や草刈りなどの管理負担から解放される
- 売却が難しい土地でも、受け取り手が見つかれば手放せる
- 親族や知人に活用してもらえる(土地の有効活用につながる)
あげる側のデメリット・リスク
- 売却代金が得られない
- 契約書や登記を曖昧にすると、後々トラブルになる
- 知っている欠陥(境界の争い、地中の埋設物など)を告げないと、責任を問われる可能性がある
もらう側のメリット
- 土地を無料で取得でき、駐車場・家庭菜園・資材置き場などに使える
- 隣地であれば、敷地が広がって価値が高まる
もらう側のデメリット・リスク
- 贈与税・登録免許税・不動産取得税がかかる
- 固定資産税などの維持費が毎年発生する
- 建物や古い擁壁、不法投棄物などがあれば、解体・撤去費用の負担が生じる
つまり、「タダだから得」とは限らないのが無償譲渡です。あげる側は、相手にとって本当に負担が少ないかどうかも考えて、話を進めましょう。
無償譲渡でよくあるトラブルと注意点
口約束だけで登記をしない
「あげた」「もらった」と言いながら登記をしないままにすると、名義人が変わらず、固定資産税の請求は元の所有者に届き続けます。相続が起きたとき、権利関係が複雑になることもあります。
抵当権や差押えがついていないか
抵当権がついたままの土地を譲ると、受け取った側が競売のリスクを負います。事前に登記簿を確認し、必要なら抹消してから譲渡しましょう。
農地・市街化調整区域は許可が必要
水戸市周辺にも農地や市街化調整区域の土地が多くあります。農地の権利移動には農業委員会の許可(農地法第3条など)が必要で、市街化調整区域では、譲渡後に建物を建てられない場合もあります。事前の確認が欠かせません。
境界や越境物の確認
境界標がない、隣地の塀が越境しているといった問題は、譲渡後にもらう側が抱え込むことになります。分かっている情報は、正直に伝えるのが大切です。
ケース別の注意点:建物付き・相続した土地・法人への譲渡
建物付き土地・空き家を無償で譲る場合
土地の上に空き家などの建物がある場合は、建物も一緒に贈与するのか、解体して更地にして渡すのかで、費用と手続きが大きく変わります。建物が残っている間は、住宅用地の特例(固定資産税が軽減される仕組み)が使われていることが多く、解体して更地にすると、翌年度から固定資産税が上がる場合があります。老朽化した空き家を放置すると、自治体から「管理不全空家」や「特定空家」に指摘されるおそれもあります。
また、贈与では、贈与者は原則として目的物の欠陥について責任を負いませんが、欠陥を知っていながら告げなかった場合は、責任を問われる可能性があります。雨漏り、シロアリ被害、地中の埋設物など、把握している問題は、必ず契約書に明記して相手に伝えましょう。
相続した土地を無償で譲る場合
親などから相続した土地を、そのまま知人や親族に贈与することもできます。ただし、名義がまだ亡くなった方のままであれば、先に相続登記を済ませる必要があります。相続登記は2024年4月から義務化されており、相続を知った日から3年以内の申請が求められています。相続人が複数いる場合は、共有者全員の同意がなければ、土地全体を贈与できない点にも注意してください。
法人へ無償で譲る場合の税金
会社などの法人へ土地を無償で譲る場合は、個人間の贈与とは税金の考え方が異なります。あげる個人側は、時価で譲渡したものとみなされて譲渡所得税が課される場合があり(みなし譲渡)、もらう法人側は、受け取った土地の時価が受贈益として法人税の課税対象になります。「法人だから贈与税は関係ない」と思い込まず、必ず税理士に確認してから進めてください。
負担付贈与とは?
「ローンを引き継いでもらう」「草刈りを続けてもらう」など、もらう側に義務を課す贈与を、負担付贈与といいます。負担付贈与では、もらう側が負担する債務の額などが、あげる側の譲渡所得として扱われることがあります。条件をつける場合は、税務上の取り扱いを事前に確認しておきましょう。
無償で引き取ってもらえないときの選択肢
「あげたいのに、もらってくれる人がいない」というのはよくあることです。次の方法を順に検討してみてください。
隣地の所有者に相談する
土地の一体利用ができるため、最も話が進みやすい相手です。無償ではなく、少額で売却する形にすると、贈与税の問題を避けやすい場合もあります。
自治体への寄附(原則は難しい)
自治体は、維持管理の負担などから、個人の土地の寄附を原則受け付けないことがほとんどです。詳しくは土地を自治体に無償譲渡できる?をご覧ください。
相続土地国庫帰属制度
相続や遺贈で取得した土地に限り、要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度があります。ただし、建物がある土地や境界が不明確な土地などは対象外となる場合があり、審査手数料や負担金(原則20万円〜)が必要です。
不動産会社に買取・売却を相談する
「売れない」と思い込んでいた土地でも、買い手や活用方法が見つかることは珍しくありません。田舎の土地の売却・処分については田舎の土地を活用する方法|売れない土地の売却と処分で詳しく解説しています。空き家付きの場合は空き家0円譲渡の落とし穴も参考になります。
放置するとどうなる?管理しない土地のリスク
受け取り手が見つからないからといって、土地を放置するのはおすすめできません。雑草や不法投棄、境界のトラブルなどが起きたり、隣地から苦情が入ったりすることがあり、それでも固定資産税の負担は続きます。放置による損害賠償を求められるケースも考えられます。田舎の土地の活用や処分の考え方は田舎の土地を活用する方法も参考にしてください。
「土地あげます」と探す前に確認したいこと
- その土地に、売却できる可能性はないか
- もらう側の税金・費用負担を説明できているか
- 境界・権利関係(抵当権など)は整理できているか
- 契約書と登記まで済ませる段取りがあるか
「土地あげます」と「売却」の違い:0円ではなく少額で売る選択肢
「無償譲渡」の相談の中には、実は売却できるケースが少なくありません。たとえば、隣地の所有者に、相場より低い金額で売却すれば、あげる側は少額でも収入になり、もらう側も、贈与税の負担を避けやすくなります(ただし、時価との差が大きいと、みなし贈与とされる点には注意が必要です)。
また、不動産会社が買主を探せる土地であれば、費用をかけずに手放せる可能性もあります。「無償で引き取ってほしい」と考えたときこそ、先に無料査定や相談を使って、売却の余地を確認してみてください。相談したからといって、売却しなければならないわけではありません。
水戸市で土地の無償譲渡・処分に迷ったら
水戸市や周辺地域では、相続した土地や使わない土地の扱いに悩む方が多くいらっしゃいます。「本当に無償で手放すしかないのか」「売れるならいくらか」を確認してから判断しても、遅くはありません。ハウスドゥ 県庁水戸(家・不動産買取専門店)では、土地・空き家のご相談を承っています。無償譲渡を進める前に、まずは状況をお聞かせください。
お電話:0120-565-072 / こちらのフォームからご相談
よくある質問(FAQ)
Q. 土地を無償で譲渡(あげる)するとき、税金はかかりますか?
個人から個人へ土地を無償で譲る場合は「贈与」にあたり、もらった側に贈与税がかかる可能性があります。年間110万円の基礎控除を超えた部分が課税対象です。あわせて、登録免許税(固定資産税評価額の2%が目安)と不動産取得税も、もらう側の負担になるのが一般的です。
Q. 無償譲渡なら契約書や登記は不要ですか?
不要ではありません。口約束だけでは所有権は法務局の記録上移らず、後から「もらった・あげていない」というトラブルになりがちです。贈与契約書を作り、所有権移転登記まで済ませて初めて安心できる状態になります。
Q. タダで譲るのに、時価より安く売ると問題になりますか?
著しく低い価格で譲渡した場合、時価との差額が贈与とみなされ(みなし贈与)、贈与税がかかることがあります。親族間・知人間で「1円で売る」といった形にする場合も、この点に注意が必要です。
Q. 水戸市などの自治体は土地を無償で引き取ってくれますか?
原則として、自治体は維持管理の負担などから、個人の土地の寄附を受け付けないことがほとんどです。公共利用の見込みがある特別な場合に限って検討されるのが実情ですので、まず窓口に相談し、断られたときの代替策も用意しておくと安心です。
Q. 引き取り手が見つからない土地はどうすればいいですか?
隣地の所有者への打診、不動産会社への買取・仲介相談、相続で取得した土地であれば相続土地国庫帰属制度の利用などが選択肢になります。国庫帰属制度は要件を満たす必要があり、審査手数料や負担金(原則20万円〜)がかかります。
Q. 農地を無償で譲ることはできますか?
農地は、農業委員会の許可(農地法第3条など)が必要です。許可なく譲渡しても効力が生じないため、必ず事前に農業委員会へ相談してください。宅地への転用が絡む場合は、さらに別の手続きも必要になります。
Q. 抵当権がついている土地でも無償譲渡できますか?
手続き上は可能な場合もありますが、抵当権付きのまま譲ると、受け取る側が返済や競売のリスクを負います。原則として、事前に抵当権を抹消してから譲渡するのが基本です。
Q. 法人に土地を無償で譲ると税金はどうなりますか?
法人へ無償で譲る場合、あげる個人側は時価で譲渡したものとみなされ、譲渡所得税が課される場合があります。もらう法人側は、受贈益として法人税の課税対象になります。個人間の贈与とは扱いが異なるため、事前に税理士へ確認してください。
Q. 建物がある土地(空き家付き)も無償で譲渡できますか?
可能ですが、建物も一緒に贈与するか、解体して更地にするかで費用と税負担が変わります。解体すると固定資産税の軽減が外れる場合があります。雨漏りなど知っている欠陥は、契約書に明記して相手へ伝えることが大切です。
まとめ
土地の無償譲渡は「贈与」であり、契約書・登記・税金の確認が必要です。とくに、贈与税・登録免許税・不動産取得税の負担がもらう側に集中する点は、先に共有しておきましょう。引き取り手が見つからないときは、隣地への相談、国庫帰属制度、不動産会社への相談など、複数の選択肢を検討することが大切です。水戸市で土地の扱いに迷われたら、お気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報です。税額や手続きの個別判断は、税理士・司法書士・税務署などの専門家にご確認ください。制度の内容や税率は改正される場合があります。
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