結論:単独相続とは、亡くなった方の財産を相続人のうち1人だけが引き継ぐことです。相続人が1人しかいない場合のほか、他の相続人が相続放棄をした場合や、遺産分割協議・遺言で1人が取得すると決まった場合も、結果として単独相続になります。
「兄弟がいるけれど、実家は自分が引き継ぎたい」「親名義の土地を自分の名義にしたい」。水戸市やその周辺でも、こうしたご相談が増えています。この記事では、単独相続とは何かを、はじめての方にもわかるように、なれるケース、必要な手続き、相続登記、売却の進め方、税金まで順番に解説します。
この記事でわかること
- 単独相続とは何か(共同相続との違い)
- 単独相続になる5つのケース
- 兄弟がいるときの進め方と遺留分の注意点
- 単独相続の手続きと相続登記の流れ
- 単独相続した不動産を売却するときの税金と特例
単独相続とは?わかりやすく解説
単独相続=1人が財産のすべてを引き継ぐこと
相続人が複数いるとき、何も決めなければ財産は相続人全員の共有になります。これを共同相続といいます。これに対して、1人の相続人だけが財産を取得する形が単独相続です。不動産でいえば、登記簿の所有者欄に相続人1人の名前だけが載る状態です。
共同相続との違い
共同相続では、売却や建替えのたびに共有者全員の同意が必要になり、話し合いが長引きがちです。単独相続なら所有者が1人なので、売却・賃貸・解体といった判断を自分1人で進められます。将来の相続でも権利関係が複雑になりにくい点がメリットです。
単独相続と「単純承認」の違い
単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産も、すべて引き継ぐことを認める相続の方法です。単独相続は「誰が取得するか」の話、単純承認は「どう引き継ぐか」の話で、別の概念です。単独相続でも、借金があれば引き継ぐ対象になる点に注意が必要です。

単独相続になる5つのケース
ケース1:相続人がもともと1人だけ
配偶者も子もなく、親や兄弟姉妹など他の法定相続人もいない場合は、最初から1人だけが相続人になります。この場合は遺産分割協議が不要で、手続きは比較的シンプルです。
ケース2:他の相続人が相続放棄をした
相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとして扱われます。放棄は、自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述します。放棄が重なると、相続人が1人になることがあります。
ケース3:遺産分割協議で1人が取得する
相続人全員で話し合い、特定の1人が不動産を取得すると決める方法です。合意した内容は遺産分割協議書にまとめ、全員が署名・実印での押印をし、印鑑証明書を添付します。
ケース4:遺言で1人に残す
被相続人が「すべての財産を長男に相続させる」といった遺言を残していれば、原則としてその内容に従います。ただし、遺留分があるため、他の相続人との調整が必要になる場合があります。
ケース5:代償分割で1人が取得する
不動産を取得した人が、他の相続人へ代わりにお金(代償金)を支払う方法です。実家を分けられないときに、現実的な解決策としてよく使われます。
兄弟がいる場合の単独相続|家・土地の相続の進め方
兄弟間の相続で起きやすいトラブル
兄弟間の相続は、親の介護をした人としなかった人の温度差、実家の評価額の見方の違いなどから、話がこじれやすい場面です。遺産相続が兄弟のみで行われる場合は、第三者が間に入らないぶん、感情的になりやすい点にも注意してください。兄弟で共有にしたまま売却の話が進まなくなったときの考え方は、共有持分の不動産はどうする?兄弟で意見が分かれたときの売却・分割の選択肢でも解説しています。
兄弟が遺留分を請求できるか
配偶者・子・直系尊属には遺留分がありますが、兄弟姉妹には遺留分がありません。たとえば、子がおらず兄弟姉妹が相続人になる場合、遺言で1人に全財産を残せば、他の兄弟姉妹は遺留分侵害額請求ができません。誰が相続人になるかは、相続人の順位で確認できます。
住んでいる家を相続したい兄弟がいる場合
実家に住み続けている兄弟が、そのまま家を相続したいケースは少なくありません。住んでいる人が不動産を取得し、他の相続人へ代償金を支払う代償分割が基本になります。代償金の準備が難しいときは、不動産を売却してお金で分ける換価分割も選択肢です。
親名義の土地を兄弟のひとりが相続するとき
親の土地の名義変更を兄弟のひとりが単独で行うには、遺産分割協議書や遺言書が必要です。土地の場合、評価額の把握が話し合いの土台になるため、固定資産税評価額や査定額を共有しておくとスムーズです。
単独相続の手続きの流れ
STEP1:相続人と財産を調べる
被相続人の出生から死亡までの戸籍をそろえて相続人を確定し、不動産は登記簿や固定資産税の名寄帳で確認します。借金などのマイナスの財産も忘れずに調べましょう。
STEP2:誰が取得するかを決める
協議・放棄・遺言・代償分割のうち、どの方法で1人が取得するかを決めます。決まった内容は必ず書面に残します。
STEP3:相続登記を申請する
不動産を取得した人が、法務局に相続登記を申請します。登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%が目安です。詳しくは相続登記とは?義務化・費用・必要書類をご覧ください。
STEP4:相続税の確認と申告
相続税は、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告が必要で、期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。自宅の敷地などには小規模宅地等の特例が使える場合があるため、税理士に確認しましょう。

単独相続の相続登記|義務化と必要書類
相続登記は3年以内の申請が義務
2024年4月1日から、相続登記は義務化されました。相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。単独相続の場合、申請は取得した本人が単独で行えます。
必要書類の目安
主な書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本と住民票、固定資産税評価証明書です。遺産分割協議で取得する場合は、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書も必要です。遺言がある場合や相続放棄があった場合は、それぞれ別の書類が加わります。
司法書士に頼むか、自分で行うか
書類が少ない単純なケースは自分で申請する人もいますが、戸籍の収集や書類の作成に手間がかかります。費用は依頼先や内容で異なるため、複数の事務所で見積もりを取ると安心です。
単独相続した不動産の売却
売却の前に名義変更が必要
亡くなった方の名義のままでは、売買の手続きを進められません。先に相続登記で自分の名義に変えてから売却します。全体の進め方は水戸市の相続不動産売却の手順で詳しくまとめています。
仲介と買取の違い
仲介は、市場に出して買主を探す方法で、時間はかかるものの、高く売れる可能性があります。買取は、不動産会社が直接買い取る方法で、早く確実に現金化でき、売却後の契約不適合責任を負わずに済むケースが多いのが特徴です。
譲渡所得の税金と特例
売却で利益が出たときは譲渡所得税がかかります。相続した不動産では、相続税を払った場合に取得費へ加算できる特例(相続開始から3年10か月以内の譲渡)や、空き家の3,000万円特別控除が使える場合があります。費用と税金の全体像は水戸市で不動産を売るときの費用と税金にまとめています。
空き家の3,000万円特別控除の主な要件
被相続人が一人で住んでいた家であること、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、売却価格が1億円以下であることなどが条件です。耐震改修をするか解体して更地にして売る必要があり、期限にも注意が必要です。要件の詳細は税務署や税理士にご確認ください。空き家全般は空き家の相続はどうする?が参考になります。
単独相続で注意したい5つのポイント
遺留分侵害額請求のリスク
子や配偶者がいる場合、遺言や協議で1人に集中させても、他の相続人が遺留分を請求する可能性があります。あらかじめ代償金の準備や話し合いをしておくと安心です。
相続放棄をすると取り消せない
相続放棄は、一度受理されると原則として撤回できません。借金の有無や財産の全体像を調べてから判断しましょう。
使用・処分すると放棄できなくなる場合がある
財産を処分したり使ったりすると、単純承認したとみなされ、相続放棄ができなくなる場合があります。判断がつくまでは慎重に行動してください。
売却時の税金計算は取得日で変わる
相続で取得した不動産は、被相続人の取得時期と取得費を引き継ぎます。長期譲渡所得になる場合が多いものの、個別の事情で異なります。
管理できない不動産は早めに手を打つ
遠方の実家や使わない土地は、固定資産税や管理の負担が続きます。売却のほか、相続土地国庫帰属制度の利用を検討する方法もありますが、要件と負担金があるため、専門家に確認してください。
家族で進める単独相続の対策|生前にできる準備
生前対策で単独相続をスムーズにする
単独相続をめぐる争いは、被相続人が元気なうちの備えで防げることが多くあります。家族で話し合い、誰がどの財産を引き継ぐかを共有しておくと、相続が始まってからの対立が減ります。生前にできる対策の代表例は、遺言書の作成、生前贈与、家族信託の活用です。
民法のルールを押さえて遺言書を作る
遺言書は、民法で定められた方式(自筆証書遺言・公正証書遺言など)で作らないと無効になるおそれがあります。特定の1人に不動産を残したい場合は、他の相続人の遺留分にも配慮した内容にしておくと、トラブルを避けやすくなります。
相続財産と金融機関の手続きも忘れずに
相続財産には、不動産のほか預貯金や有価証券も含まれます。金融機関の口座は、亡くなったことが伝わると凍結され、払い戻しには遺産分割協議書や戸籍などの書類が必要です。不動産の名義変更と合わせて、全体の情報を整理しておきましょう。
無料で使える相談サービスを活用する
市区町村の無料相続相談や、法テラスなどの無料相談サービスを使って、情報を集める方法もあります。不動産の価値については、当店のような不動産会社の無料査定も判断材料になります。
ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸にご相談ください
ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸では、水戸市を中心に、相続した不動産の査定と買取のご相談を承っています。単独相続で手続きに迷っている段階でも、進め方の整理からお手伝いします。売却するかどうか決まっていなくても、まず今の価値を知っておくと、兄弟との話し合いが進めやすくなります。
水戸市で相続した不動産の名義変更・売却のご相談はお気軽に。ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸 TEL 0120-565-072 / こちらのフォームからご相談
よくある質問(FAQ)
Q. 単独相続とは、簡単に言うと何ですか?
亡くなった方(被相続人)の財産を、相続人のうち1人だけが引き継ぐことです。もともと相続人が1人しかいない場合のほか、他の相続人が相続放棄をした場合、遺産分割協議や遺言で1人が取得すると決まった場合も、結果として単独相続になります。
Q. 兄弟が何人かいても、自分1人で実家を相続できますか?
できます。ただし、何もしなければ法定相続分に応じた共有になるため、遺産分割協議で全員が合意し、遺産分割協議書を作る必要があります。遺言があれば遺言の内容に沿って進みます。他の相続人には、代償金の支払いなどで納得してもらう方法もあります。
Q. 単独相続にすると、他の相続人の遺留分は関係なくなりますか?
なくなりません。配偶者・子・親には遺留分があり、遺言で1人に全部を渡しても、侵害された相続人は遺留分侵害額請求ができます。一方、兄弟姉妹には遺留分がありません。請求できる期間は、知った時から1年、相続開始から10年とされています。
Q. 相続放棄は、いつまでにすればよいですか?
自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。期限を過ぎると原則として単純承認したものとみなされるため、早めに手続きを進めましょう。
Q. 単独相続の不動産は、相続登記をしないと売れませんか?
売れません。売買では所有者の名義で買主へ移転登記をするため、亡くなった方の名義のままでは進められないのが一般的です。先に相続登記で自分の名義に変えたうえで売却します。2024年4月から相続登記は義務化され、相続を知った日から3年以内の申請が必要です。
Q. 単独相続した空き家を売ると、税金は安くなりますか?
要件を満たせば、被相続人の居住用家屋とその敷地を売ったときに、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。昭和56年5月31日以前の建築であること、売却価格が1億円以下であること、耐震改修または解体をしたうえで譲渡すること、期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ特例の適用期限内)などの条件があるため、事前に確認してください。
Q. 単独相続の手続きは、誰に相談すればよいですか?
登記は司法書士、相続税や譲渡所得の申告は税理士、紛争になりそうな場合は弁護士が専門です。不動産の価値や売却方法については、不動産会社に査定を依頼して整理すると、話し合いが進めやすくなります。
Q. 生前に単独相続の準備をしておくことはできますか?
できます。遺言書で特定の1人に不動産を残す、生前贈与や家族信託を活用するなどの対策があります。遺言書は民法の方式に従って作らないと無効になるおそれがあり、他の相続人の遺留分にも配慮が必要です。家族で話し合い、専門家へ相談しながら進めると安心です。
まとめ
単独相続とは、1人の相続人が財産を引き継ぐ形です。兄弟がいる場合は、遺産分割協議・遺言・代償分割などで進め、相続登記は3年以内に行いましょう。売却を考えるときは、先に名義変更を済ませ、税金の特例を確認したうえで、仲介と買取を比べるのが近道です。
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。



