「実家を解体して土地で売ろう」と見積りを取ったら、想定より数十万円高かった——その原因がアスベストだった、というご相談があります。
2022年4月から、一定規模以上の解体・改修では、アスベストの事前調査結果を自治体へ報告することが義務になりました。しかも「含有の有無にかかわらず」報告が必要です。
この記事では、水戸市で解体するときに何が必要で、費用がどう変わるのかを、売る側の視点で宅地建物取引士が解説します。
★「うちには無いから関係ない」ではありません
最も多い誤解がこれです。水戸市はこう案内しています。
令和4年4月1日から、一定以上の建築物・工作物の解体・改修を行う場合、石綿の含有の有無にかかわらず、事前調査結果を自治体に報告することが義務付けられました。
アスベストが無いことを確かめて、無いと報告する——この調査自体が必要だということです。「古い家じゃないから」「使われていないはずだから」という理由で省略はできません。

水戸市での報告対象
- 解体部分の床面積の合計が80平方メートル以上となる建築物の解体工事
- 請負金額が税込100万円以上となる建築物の改造・補修工事
- 請負金額が税込100万円以上となる特定の工作物の解体・改造・補修工事
80平方メートルは約24坪
一般的な戸建て住宅は延床30〜40坪ですから、ほとんどの住宅の解体が対象になります。
報告するのは誰か
請負業者または自主施行者が報告します。原則として「石綿事前調査結果報告システム」を使い、その利用にはGビズIDが必要です。
売主であるお客様が自分で報告するわけではありませんが、その費用は工事代金に含まれます。ここが手取りに響く部分です。
水戸市の窓口
水戸市の担当は環境保全課公害係(水戸市役所3階・Tel 029-232-9154)です。
出典:水戸市「石綿(アスベスト)事前調査結果の報告について」(2022年6月13日更新)
どんな家に使われているのか
2006年より前の建物
アスベストは耐火性・断熱性に優れ安価だったため、1970年代から1990年代の建材に広く使われました。屋根材、外壁材、天井材、床材、配管の断熱材などです。
健康被害のおそれから2006年に原則使用禁止となりましたが、それ以前の建物には今も残っています。
水戸市で該当しやすい建物
上市・下市の旧市街や、戦後に建てられた住宅地には当時からの建物が数多く残っています。目安として2006年より前、特に1990年代以前の建物は、含有の可能性を前提に考えたほうがよいでしょう。
母屋以外にも注意
水戸市周辺の農家住宅では、納屋・倉庫・車庫などの附属建物に波形スレートが使われていることがあります。解体対象の床面積が増えれば、調査・除去の範囲も広がります。
店舗・工場・アパートは要注意
住宅以外の建物は、吹付け材が使われている可能性が住宅より高い傾向があります。除去の難度も費用も上がります。
売却にどう影響するか
①解体費用が上がる
調査費用に加え、見つかれば除去費用が別途かかります。建材の種類によって作業の厳重さが変わり、飛散しやすいものほど高額になります。
②工期が延びる
調査・報告・除去と工程が増えます。相続税の納付期限までに現金化したいといった事情がある場合、この遅れは無視できません。
③買主への告知が必要
アスベストの調査記録がある場合、その内容は買主へ説明すべき事項にあたります。宅地建物取引業法では、建物についてアスベスト使用調査の記録があるときは重要事項として説明することとされています。
知っていて伝えなかった場合、契約不適合責任を問われるおそれがあります。隠すことは選択肢になりません。
★解体する前に比べてください
ここが本記事で最もお伝えしたい点です。

解体して更地で売る場合の持ち出し
- 解体工事費
- アスベストの事前調査費用
- 見つかった場合の除去費用
- 建設リサイクル法の届出(床面積80平方メートル以上・着手7日前まで)
さらに更地にすると住宅用地の特例が外れ、翌年の固定資産税が上がります。売却まで時間がかかると、その負担も積み上がります。
現況のまま売る場合
売主の持ち出しはありません。建物を残したまま売れば解体工事が発生しないため、調査も除去も不要です。買主が解体するかリフォームするかを判断し、その費用を織り込んで価格が決まります。
どちらが得かは計算しないとわからない
「更地のほうが高く売れる」とよく言われますが、解体費用と税負担を差し引いた手取りで比べる必要があります。特に築年数が古い建物ほど、調査と除去の費用が読みにくくなります。
解体の見積りを取る前に、現況のまま売った場合の査定を受けてみてください。
解体後の手続きについては解体したら1か月以内に滅失登記|前後の届出ももご覧ください。
調査から工事までの流れ
解体だけでなく改修工事も対象
この調査・報告の義務は、大気汚染防止法の改正(2022年4月〜)にもとづくもので、建物を壊す解体工事だけでなく、屋根や外壁の張り替えといった改修工事にも同様に適用されます。「今回は壊さず直すだけだから関係ない」と考えていると、着工直前になって調査義務に気づき、工期が遅れるケースもあります。売却前にリフォームを検討している場合も、念のため対象になるかどうかを業者に確認しておくと安心です。
①書面と目視で調べる
まず設計図書や過去の改修記録を確認し、使われている建材を特定します。図面が残っていれば、この段階で判断できることがあります。
②現地で建材を確認する
有資格の調査者が現地に入り、屋根・外壁・天井・床・配管まわりを確認します。図面と現況が違うことは珍しくありません。
③必要なら分析する
書面と目視で判断できない場合、建材を採取して分析機関で調べます。結果が出るまで日数がかかります。
④報告する
調査結果を石綿事前調査結果報告システムで報告します。含有していなくても報告が必要です。
⑤工事を行う
含有していた場合、建材の種類に応じた方法で除去します。飛散防止のための養生や、作業員の保護措置が必要になるため、通常の解体より費用も期間もかかります。
見積書で確認すべきこと
調査費用が含まれているか
「解体工事一式」の見積書では、調査費用が含まれているのか、後から追加になるのかがわかりません。必ず内訳を確認してください。
除去費用の扱い
調査前の段階では、除去費用は確定できません。「アスベストが見つかった場合は別途」と書かれているのが通常です。この場合、いくらぐらいの追加になり得るのかを目安として聞いておいてください。
処分費が別かどうか
アスベスト含有の廃棄物は通常の廃材と処分方法が異なり、費用も高くなります。処分費が見積りに含まれているかを確認してください。
水戸市で相談できる窓口
水戸市には空き家に関するワンストップ総合相談窓口があります。市とNPO法人が協働で運営しており、空き家の管理・利活用・解体・家財処分の相談に対応しています。
「何から手をつければよいかわからない」段階なら、こうした窓口も有効です。一方、「売るといくらになるのか」を知りたいなら不動産会社の査定が早道になります。目的に応じてお使い分けください。
買取という選択肢
調査も解体も不要で売れる
買取なら現況のまま引き渡せます。調査費用も除去費用も売主が負担する必要はありません。解体後の処理は買主である不動産会社が判断します。
契約不適合責任を負わない形にできる
個人の買主に売る場合、後から問題が見つかると責任を問われる可能性があります。買取なら、契約不適合責任を免責とする取り決めが可能です。
期間が読める
買主を探す期間が不要なため、最短2日での現金化も可能です。相続税の納付期限が迫っている場合などに有効です。
ただし買取価格は仲介で売れる相場より下がるのが通常です。「早さ・確実さ」と「金額」のどちらを優先するかで選んでください。
よくある質問
Q. 築年数からアスベストの有無はわかりますか?
断定はできません。2006年の使用禁止より前の建物は可能性がありますが、実際に使われているかは建材を採取して分析するか、設計図書で確認する必要があります。図面が残っていれば判断できることもあります。
Q. 調査は誰に頼めばよいですか?
建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ調査者が行います。解体業者や不動産会社が窓口となって手配するのが一般的です。当社でもご紹介できます。
Q. アスベストがあると売れなくなりますか?
売れます。古い建物には一定の割合で含まれているもので、珍しいことではありません。問題になるのは「あること」ではなく「わからないまま進めること」です。
Q. 除去費用はいくらですか?
建材の種類・量・作業条件で大きく変わるため、一律の目安を申し上げることはできません。飛散性の高い吹付け材は高額、成形板は比較的安価という傾向があります。実際の金額は調査結果にもとづく見積りでご確認ください。
Q. 報告しないとどうなりますか?
報告は法律上の義務です。報告義務者は請負業者または自主施行者ですが、適正に行われているかは発注者としても確認しておくべき点です。
Q. まず何をすればよいですか?
解体を前提にせず、まず査定を受けてください。「現況のまま売る」「解体して売る」の手取りを比べれば、調査や解体にお金をかけるべきか判断できます。
まとめ
- 2022年4月から、アスベストの事前調査結果の報告が義務化
- ★石綿の含有の有無にかかわらず報告が必要。「無いから関係ない」ではない
- 水戸市での対象は床面積80㎡以上の解体、請負税込100万円以上の改造・補修など
- 80㎡=約24坪なのでほとんどの戸建ての解体が対象
- 報告するのは請負業者または自主施行者。システム利用にはGビズIDが必要
- 水戸市の窓口は環境保全課公害係(029-232-9154)
- 売却への影響は①解体費用が上がる②工期が延びる③買主への告知が必要
- ★解体の見積りを取る前に、現況のまま売った場合の査定を受ける。更地が常に有利とは限らない
- 更地にすると住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がる
水戸市の古い家の売却はハウスドゥ 県庁水戸へ
「解体したら高くついた」となる前に、まず手取りを比べてください。現況のまま売った場合と、解体して更地で売った場合の金額をお出しします。
当社の買取なら、調査も解体もせず現況のままお引き取りできます。最短2日での現金化が可能で、契約不適合責任を負わない形でのお取引もご相談いただけます。調査が必要な場合は有資格の調査者をご紹介します。
査定・ご相談は無料です。築年数の古い物件、納屋や倉庫がある農家住宅もお任せください。
お電話:0120-565-072(通話無料)
フォーム:無料相談・査定のお申し込みはこちら
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※本記事は2026年8月時点の法令にもとづく一般的な解説です。調査の要否、除去の方法、費用は建物の状況により異なります。具体的な判断は有資格の調査者、解体業者、または水戸市環境保全課(029-232-9154)へご確認ください。当社は調査・分析を行う機関ではありません。
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