「行方市ってどんなまちだろう?」「霞ヶ浦と北浦、どっちに近い方がいいのかな」——行方市への引っ越しや実家じまいを考えている方から、こうした声をよく耳にします。行方市は茨城県南東部の鹿行(ろっこう)地域に位置し、東の北浦と西の霞ヶ浦という二つの大きな湖に南北から挟まれた、全国的にも珍しい地形のまちです。この記事では、行方市の成り立ちから交通・子育て・買い物・レンコン農業・防災・地価まで、暮らしの実態を一次情報にもとづいて整理しました。最後まで読めば、行方市での暮らしのイメージがぐっと具体的になるはずです。

行方市ってどんなまち?湖に挟まれた鹿行地域の中心

行方市は茨城県の南東部、鹿行地域と呼ばれるエリアに位置する市です。茨城県統計課「市町村のデータ(行方市)」によれば、常住人口は28,976人、世帯数は11,314世帯(いずれも令和8年4月1日現在)、面積は222.48平方キロメートル、人口密度は130.2人/km²です。

最大の地理的特徴は、市域の東側に北浦、西側に霞ヶ浦という二つの広大な湖が広がっていることです。南北に細長い半島状の地形のため、市内のどこからでも湖が近く、水と共にある暮らしが行方市の日常になっています。

人口の推移と年齢構成

国勢調査の人口推移を見ると、昭和60年の43,074人から令和2年の32,185人まで、一貫して減少傾向にあります。年齢別人口割合(令和7年10月1日現在)は15歳未満8.6%、15〜64歳52.1%、65歳以上39.4%で、県内の多くの農業地域と同様に高齢化が進んでいます。人口動態は令和6年で出生98人・死亡620人となっており、自然減の傾向が続いています。

行方市を検討する際は、こうした人口動態を踏まえたうえで、後述する子育て支援策や地域の利便性を具体的に見ていくことが大切です。

行方市の成り立ち|麻生・北浦・玉造、3つの旧町が生んだ個性

行方市は平成17年(2005年)9月に、旧麻生町・旧北浦町・旧玉造町の3町が合併して誕生しました。それぞれの旧町エリアには今も色濃く個性が残っており、「行方市のどこに住むか」を考えるうえで欠かせない視点です。

行方市 3地区 麻生 北浦 玉造 特徴早見表
行方市 3地区(麻生・北浦・玉造)の特徴早見表

麻生地区|行政と商業の中心

麻生地区には市役所本庁舎(行方市麻生1561番地9)が置かれ、行政機能の中心を担っています。霞ヶ浦沿いの市街地には昔ながらの商店街も残り、生活利便施設が比較的集積しているエリアです。

北浦地区|田園とレンコン畑の広がるエリア

北浦地区は名前の通り北浦沿いに広がる田園地帯で、後述するレンコン畑が多く見られます。市立北浦幼稚園・北浦小学校・北浦中学校があり、静かな住環境を求める世帯に向いたエリアです。

玉造地区|観光と交流の拠点

玉造地区には「道の駅たまつくり~観光物産館こいこい~」(行方市玉造甲1963-5)が所在し、東関東自動車道の潮来インターチェンジからのアクセスも比較的良好です。市外・県外からの来訪者と接する機会が多く、市内では観光・交流拠点としての性格が強いエリアです。

交通アクセス|東関東自動車道と路線バスが頼り

行方市には鉄道駅がなく、車移動が生活の基本になります。東関東自動車道の潮来ICが最寄りのインターチェンジで、国道355号経由で道の駅たまつくりまで到達できます。市外へ出る場合は、潮来IC経由で東関東道・首都圏方面、あるいは国道354号・355号で土浦・鉾田・鹿嶋方面へアクセスする形が一般的です。

公共交通としては、JR常磐線土浦駅から関東鉄道グリーンバスで道の駅たまつくり方面へ向かう路線などがあり、鉄道と接続するバス路線が生活の足を支えています。車を持たない世帯にとっては、バスの運行本数や乗り換え時間を事前に確認しておくことが重要です。

子育て・教育環境|マル福と3地区の学校

行方市には、茨城県と市が共同で実施する医療福祉費支給制度(マル福)があります。行方市公式ホームページによれば、対象は小児(外来は小学6年生まで、入院は高校3年生まで)・妊産婦・ひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)・重度心身障害者などで、医療保険を使った際の自己負担分の一部を助成する制度です。

教育施設は3地区それぞれに整備されています。幼稚園は市立麻生幼稚園・市立北浦幼稚園・市立玉造幼稚園の3園、小学校は市立麻生小学校・麻生東小学校・北浦小学校・玉造小学校、中学校は市立麻生中学校・北浦中学校・玉造中学校が所在します(茨城県教育委員会リンク集・行方市公式ホームページ「小学校・中学校」より)。どの地区に住んでも、旧町単位で幼稚園から中学校まで一通り揃っている点は、子育て世帯にとって分かりやすい特徴です。

買い物・生活利便

行方市は農業を基幹産業とする性格が強く、都市部のような大規模商業施設の集積は多くありません。日常の買い物は麻生地区の商店街や国道沿いの店舗が中心となり、大型のショッピングモールなど非日常の買い物は、隣接する潮来市や鉾田市、あるいは土浦市方面まで足を延ばすケースが一般的です。移住や住み替えを検討する際は、日常の買い物動線がどの程度確保できるか、実際に現地を歩いて確認することをおすすめします。

日本一のレンコンと農業のまち

行方市を語るうえで欠かせないのが、レンコン(蓮根)です。いばらきれんこん広域銘柄化推進協議会によれば、茨城県は作付面積・出荷量ともに全国トップで、全国出荷量の約53%を茨城県産が占め、東京市場に限ると90%以上のシェアを誇ります。その主産地が霞ヶ浦流域であり、土浦市・かすみがうら市・行方市・小美玉市・稲敷市・河内町・阿見町・石岡市・美浦村がレンコンの主要産地とされています。

霞ヶ浦沿岸は低湿地帯が多く、土壌が肥沃で冬でも降雪が少ない温暖な気候がレンコン栽培に適しており、行方市内でも北浦地区を中心にレンコン畑が広く見られます。「行方蓮根」というブランド名でも知られ、農業と暮らしが密接に結びついているのが行方市の特色です。実家が農地付きの物件だったというケースも珍しくなく、農地の扱いは後述する「家を売る・持ち続ける」を考えるうえでも重要な論点になります。

霞ヶ浦・北浦の自然とレジャー

行方市の暮らしは、二つの湖と切り離せません。霞ヶ浦・北浦周辺は水郷筑波国定公園の一部にも含まれ、湖畔でのサイクリングや釣り、道の駅たまつくりでの物産購入など、湖を生かしたレジャーが身近にあります。道の駅たまつくりは観光バスの休憩地としても利用される拠点で、地元産品や飲食を楽しめる施設として親しまれています。都市部の喧騒から離れ、水辺のある暮らしを求める方には魅力的な環境といえるでしょう。

防災|洪水ハザードマップで湖の氾濫リスクを確認する

行方市公式ホームページでは「行方市防災ハザードマップ」を公開しており、霞ヶ浦・北浦を対象に、想定し得る最大規模の降雨によって河川が氾濫した場合の浸水範囲・浸水深を示しています。二つの湖に挟まれた地形である以上、水害リスクはゼロではありません。住まいを検討する際は、市が公開するハザードマップで自宅や検討中の物件の浸水想定区域を必ず確認しておくことが大切です。ハザードマップは市役所の各庁舎(麻生庁舎・北浦庁舎・玉造庁舎)でも配布されています。

行方市の住まいの相場【公示地価2026・目安】

不動産情報サイトtochidai.infoが公開する公示地価データによれば、行方市の公示地価(2025年時点)は市平均で1平方メートルあたり約10,616円・坪単価約35,096円が目安とされています。前年比の変動率は-0.34%で、全国順位は1,274位です。住宅地に限ると平均約7,055円/m²・坪単価約23,322円(-0.58%)という目安も示されています。

行方市 基礎データ 人口 地価 早見表
行方市 基礎データ早見表(人口・地価の目安)【2026年】

ただし、これらの数値はあくまで市全体の平均的な目安であり、麻生・北浦・玉造の各地区や、湖からの距離、道路付けなど個別条件によって実際の取引価格は大きく変動します。行方市麻生地区の中古戸建て相場については、当サイトの別記事「2026年最新|行方市麻生の中古戸建相場はいくら?価格が決まる3要素」でより詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。正確な価格を知りたい場合は、地域事情に詳しい不動産会社による個別査定をおすすめします。

行方市で家を売る・持ち続けるときに知っておきたいこと

行方市で実家や空き家を相続した場合、「農地が付いている」「湖に近い」「3地区のどこにあるか」によって、売却のしやすさや進め方が変わってきます。特にレンコン栽培などに使われてきた農地が付随する物件は、農地法上の制約があり、宅地とは異なる手続きが必要になるケースがあります。また、行方市には空き家の解体費用助成に関する制度もあり、当サイトの別記事「行方市の空き家 解体補助金は100万円|条件と売却の順番【2026】」で条件や申請の順番を解説しています。解体するかどうかで悩んでいる場合は、先にこちらもご確認ください。

「売るべきか、貸すべきか、そのまま持ち続けるべきか」は、物件の立地や状態、相続人の事情によって最適解が異なります。判断に迷う場合は、無理に急いで結論を出さず、地域事情に詳しい専門家に一度相談してみることをおすすめします。

行方市についてよくある質問

Q1. 行方市の人口はどれくらいですか?

茨城県統計課「市町村のデータ(行方市)」によれば、常住人口は28,976人、世帯数は11,314世帯です(令和8年4月1日現在)。国勢調査ベースでは人口減少傾向が続いています。

Q2. 行方市はどのように誕生したのですか?

行方市は平成17年(2005年)9月、旧麻生町・旧北浦町・旧玉造町の3町が合併して誕生しました。現在も麻生庁舎・北浦庁舎・玉造庁舎の3庁舎体制が残っています。

Q3. 行方市に鉄道駅はありますか?

行方市内に鉄道駅はなく、車での移動が基本です。東関東自動車道の潮来ICが最寄りのインターチェンジで、公共交通は路線バスが中心になります。

Q4. 行方市の子育て支援制度にはどのようなものがありますか?

茨城県と行方市が共同で実施する医療福祉費支給制度(マル福)があり、小児(外来は小学6年生まで、入院は高校3年生まで)・妊産婦・ひとり親家庭などを対象に医療費の自己負担分の一部を助成しています。

Q5. 行方市がレンコンの産地として有名なのはなぜですか?

行方市を含む霞ヶ浦流域は、低湿地帯で土壌が肥沃、冬でも降雪が少ない温暖な気候がレンコン栽培に適しており、茨城県全体で全国出荷量の約53%を占めるレンコンの一大産地となっています。行方市内では特に北浦地区周辺にレンコン畑が広がっています。

Q6. 行方市の水害リスクはどう確認できますか?

行方市公式ホームページで公開されている「行方市防災ハザードマップ」で、霞ヶ浦・北浦の氾濫を想定した浸水範囲・浸水深を確認できます。市役所の各庁舎でも紙のハザードマップが配布されています。

まとめ|湖と農業に囲まれた行方市での暮らしと住まい選び

行方市は、霞ヶ浦と北浦という二つの湖に囲まれ、日本一のレンコン産地としての顔も持つ、茨城県内でも独特の個性を持つまちです。麻生・北浦・玉造という3つの旧町エリアはそれぞれ性格が異なり、行政の中心を求めるか、静かな田園環境を求めるか、観光・交流の拠点に近い場所を求めるかによって、住みやすいエリアは変わってきます。車移動が前提の生活圏であること、そして湖に近い立地ゆえの水害リスクを事前に確認しておくことも忘れないでください。

実家の相続や空き家の扱いに悩んだときも、農地の有無や地区ごとの特性を踏まえた判断が必要です。私たちハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸は、行方市を含む鹿行エリアの不動産売却・買取・査定に対応しています。ご相談は下記からお気軽にどうぞ。

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