「メロンのまち」として知られる鉾田市だが、実際に暮らすとなるとどんな毎日になるのか。買い物は足りるのか、子育てはしやすいのか、災害の心配はないのか——検索しても断片的な情報しか出てこない、という声をよく耳にする。この記事では、鉾田市公式ホームページや茨城県統計課の公表資料など一次情報にあたり、暮らしの実像を数字とともに整理した。移住検討中の方はもちろん、実家を相続してこれからどうするか考えている方にも参考にしていただければと思う。
鉾田市はどんなまち? 農業と海に育まれた広域都市
鉾田市は茨城県の鹿行(ろっこう)地域に位置し、太平洋(鹿島灘)に面した細長い市域を持つ。2005年10月11日に旧鉾田町・旭村・大洋村が合併して誕生し、現在まで20年余りが経過した。面積は207.60平方キロメートル(令和8年1月1日現在、国土地理院調べ)で、これは茨城県内でもかなり広い部類に入る※1。
茨城県統計課「茨城県常住人口調査」によると、常住人口は43,357人、世帯数は19,510世帯(いずれも令和8年4月1日現在)※1。一方、鉾田市公式ホームページの住民基本台帳ベースでは人口45,415人・世帯数22,072世帯(令和8年7月1日現在)となっており、統計の基準時点や集計方法の違いで数字に差が出る点は留意しておきたい※2。総務省「国勢調査」の推移を見ると、平成7年の50,857人をピークに緩やかな減少が続いている※1。
土地利用の内訳(令和6年1月1日、県市町村課「茨城県市町村概況」)は、農地48.8%・宅地9.5%・山林22.6%・その他19.2%※1。市域の約半分が農地という数字が示すとおり、鉾田市は全国有数の農業都市であり、なかでもメロンの産地として名高い。産業別就業人口割合(令和2年国勢調査)は第1次産業29.99%・第2次産業21.16%・第3次産業48.85%※1で、第1次産業の比率は県内でも際立って高い。
交通アクセス|鹿島臨海鉄道と国道が生活の軸
鉾田市内に鉄道駅は4つある。新鉾田駅・大洋駅・鹿島旭駅・北浦湖畔駅(すべて鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)で、中心駅の新鉾田駅は有人駅として市の玄関口の役割を担っている※3。鹿島臨海鉄道株式会社の公表情報および乗換案内サービスの実測によると、新鉾田駅から水戸駅までは約38〜45分・運賃960円(片道)※3。通勤・通学で毎日水戸へ向かう場合、所要時間は決して短くはないが、直通で座れる本数もあり許容範囲という声もある。
道路面では国道51号・国道354号が市内を東西・南北に貫き、車での移動が生活の基本となる。市町村道舗装率は60.00%(令和6年3月31日現在、県道路維持課調べ)※1で、幹線を外れると未舗装区間も残るエリア特性がある。鹿行地域は総じて公共交通の便が限られるため、車を持たない生活は現実的に難しいと考えておいたほうがよい。
子育て・教育|マル福と地域の子育て支援体制
鉾田市の医療費助成(マル福)は、0歳から18歳までの子どもを対象に助成が行われている。鉾田市公式ホームページ「医療福祉」ページによると、小学校卒業までの外来診療は自己負担600円/日、中学校卒業までの入院医療費は自己負担300円/日とされている※4。制度の詳細な要件・所得制限の有無は改定される可能性があるため、利用にあたっては市の最新の公表情報を必ず確認してほしい。
子育て支援では、生後2か月から中学生までを対象にした「ファミリーサポートセンター事業」(相互援助活動)を実施しているほか、地域子育て支援センターを市内に設置し、子育て支援サイト「はぐくむほこた」で情報発信を行っている※4。「鉾田市子ども・子育て支援事業計画」も策定されており、保育・幼児教育の受け皿整備を計画的に進めている姿勢がうかがえる※4。
教育面では市内に小学校・中学校が配置されているが、農業地域特有の校区の広さから、スクールバスや保護者送迎が必要になる家庭もある。転入を検討する場合は、通学区域を市教育委員会に個別確認することをおすすめする。
買い物・生活利便|広い市域だからこそ車移動が前提
鉾田市の中心部(新鉾田駅周辺)にはスーパーやドラッグストア、飲食店が集積している一方、市域全体で見るとロードサイド型の店舗が点在する形になる。JAほこたが運営する「ファーマーズマーケットなだろう」は、メロン・いちご・トマト・さつまいも・ながいもなど地場野菜・果物や加工品まで約500品目を扱う直売所として、地元住民の買い物先の一つになっている※5。
医療機関については、医療施設従事医師数(人口10万人当たり)が53.3人(令和4年12月31日現在、県医療政策課調べ)※1で、県平均と比べて医療資源は手厚いとは言えない水準にある。大きな病院での診療が必要な場合は、鹿嶋市や水戸市方面への通院も選択肢に入れておくと安心だ。
自然・レジャー|メロンと鹿島灘、四季の楽しみ方
鉾田市は茨城県が全国屈指のメロン産地であることを支える中心地であり、市内では9品種以上のメロンが栽培されている※6。茨城県オリジナル品種「イバラキング」は県内でしか栽培できない希少品種として知られる※6。「フォレストパーク メロンの森」をはじめとする観光農園ではメロン狩り体験ができ、毎年6月には食べ放題イベントを実施する農園もある※6。
海沿いには「鹿島灘海浜公園」があり、直売所「もぎたて市場」やレストラン、全長1,000メートルのボードウォーク、展望台を備える※6。太平洋を望む景観と海水浴・サーフィンを楽しむ人も多く、海と農業の両方が生活圏にあるのが鉾田市の特徴と言える。
防災・ハザード|洪水・津波・土砂災害への備え
鉾田市は令和6年5月に「鉾田市洪水・津波ハザードマップ」を改訂し公表している※7。巴川・大谷川・鉾田川・巴川など複数の河川系統について、大雨で氾濫した場合の浸水想定区域と、指定避難所の情報を地図化したものだ※7。津波に関しては東日本大震災後の知見を踏まえ、避難を軸とした対策の考え方が整理されている※7。市はこのほか「土砂災害ハザードマップ」「地震防災マップ」も個別に公表しており、Web版ハザードマップでは地図上で自宅周辺のリスクを重ね合わせて確認できる※7。
海に面した市域であるため、沿岸部では津波・高潮、内陸の低地部では河川氾濫、山間部に近いエリアでは土砂災害と、地域によってリスクの性質が異なる。物件探しや実家の今後を検討する際は、必ず住所単位でハザードマップを確認してほしい。
エリア別の特徴|新鉾田・大洋・鹿島旭・北浦湖畔の違い
鉾田市は2005年の合併前、旧鉾田町(現在の新鉾田・鹿島旭エリア中心部)・旧旭村(大洋駅周辺を含む)・旧大洋村(太平洋沿岸部)という3つの自治体から成り立っていた。現在も駅を軸に地域性が異なる。
新鉾田エリア(市の中心部)
市役所や商業施設が集まる中心市街地で、生活利便性は市内で最も高い。tochidai.info(国交省地価公示データ集計)によると、新鉾田駅圏の地価平均は14,226円/m²(2026年)で、市内の駅圏では最も高い水準にある※8。
大洋エリア(南部・沿岸寄り)
大洋駅周辺は住宅地と農地が混在するエリアで、地価平均は8,890円/m²(2026年)※8。海水浴場に近く、旧大洋村時代からの住宅集落も残る。
鹿島旭・北浦湖畔エリア(南東部)
鹿島旭駅圏6,770円/m²、北浦湖畔駅圏6,080円/m²(いずれも2026年)※8と、市内でも比較的取得しやすい価格帯になっている。北浦湖畔という名の通り、汽水湖の北浦に近い立地も特徴だ。

地価と住宅事情|2026年公示地価は下落基調
tochidai.info(国交省公示地価データの集計)によると、鉾田市の2026年(令和8年)公示地価平均は11,205円/m²・坪単価37,041円で、前年比-0.15%の下落※8。用途別では住宅地平均8,957円/m²(坪29,611円・前年比-0.23%)、商業地平均15,700円/m²(坪51,900円・前年比±0.00%)となっている※8。あくまで市内の公示地点の平均値であり、個別の土地の実勢価格を保証するものではない「目安」である点に留意してほしい。
過去の推移を見ると、公示地価はバブル期の1995年(3万5,200円/m²)をピークに右肩下がりが続き、2021年(1万752円/m²)で底を打った後は横ばい〜微減で推移している※8。地価が長期的に下落基調にあるということは、裏を返せば「今のうちに手放すか、持ち続けるか」の判断が、時間とともに条件を変えていくということでもある。
家を売る・持ち続けるときに知っておきたいこと
鉾田市で「今住んでいる家」または「相続した実家」の今後を考えるとき、判断材料になるポイントを整理する。
持ち続ける場合のコスト
空き家であっても固定資産税・都市計画税は毎年発生し、放置すれば庭木の繁茂や建物の劣化が進む。鉾田市には空き家の解体費補助金制度(対象経費の1/2・上限50万円、年間の予定件数に限りあり)があるが、年度によって受付枠が埋まる場合もあるため、検討している場合は市の窓口に最新の受付状況を確認するのが確実だ※9。
売却する場合の流れ
広い市域で駅圏によって地価差が大きい鉾田市では、同じ「鉾田市内」でも立地によって売却のしやすさ・想定価格が変わる。不動産会社による机上査定・訪問査定を経て、実勢に近い金額感をつかむことがまず必要になる。相続した実家の場合、相続登記が済んでいないと売却手続きに進めないため、登記の状況確認を先に済ませておくとスムーズだ。
持ち続ける・貸す・売る、判断のヒント
「すぐに使う予定はないが手放すのも迷う」という場合は、賃貸に出す・空き家バンクに登録する・そのまま保有するなど複数の選択肢がある。どれが最適かは物件の状態や立地、家族の意向によって変わるため、一つの選択肢に決め打ちする前に、複数の専門家(不動産会社・税理士・司法書士等)に相談することをおすすめする。

よくある質問
Q1. 鉾田市の人口はどれくらいですか?
茨城県統計課「茨城県常住人口調査」によると、常住人口は43,357人・世帯数19,510世帯(令和8年4月1日現在)です※1。鉾田市公式ホームページの住民基本台帳ベースでは45,415人・22,072世帯(令和8年7月1日現在)となっており、集計方法により数値に差があります※2。
Q2. 水戸駅まではどのくらいかかりますか?
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の新鉾田駅から水戸駅まで、乗換案内サービスの実測で約38〜45分・運賃960円(片道)です※3。
Q3. 鉾田市の公示地価は上がっていますか、下がっていますか?
tochidai.info(国交省公示地価データ集計)によると、2026年(令和8年)の公示地価平均は11,205円/m²で前年比-0.15%の下落です※8。住宅地平均は8,957円/m²・前年比-0.23%の下落となっています※8。あくまで市内公示地点の平均であり、個別物件の価格を保証するものではない目安です。
Q4. 子どもの医療費助成(マル福)はありますか?
鉾田市公式ホームページによると、0歳から18歳までを対象とした医療費助成制度があり、小学校卒業までの外来診療は自己負担600円/日、中学校卒業までの入院医療費は自己負担300円/日です※4。制度内容は改定される可能性があるため、最新情報は市の公式ページでご確認ください。
Q5. 空き家の解体補助金はありますか?
鉾田市には空き家の解体費補助金制度(対象経費の1/2・上限50万円)があります。ただし年間の受付件数に限りがあり、年度によって募集が早期終了する場合があります。詳しい条件は当サイトの別記事「鉾田市の空き家 解体補助金は50万円|条件と売却の順番【2026】」もあわせてご覧ください※9。
Q6. 鉾田市に鉄道駅はいくつありますか?
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の新鉾田駅・大洋駅・鹿島旭駅・北浦湖畔駅の4駅があります※3。市の中心部に近い新鉾田駅が最も利用者数・利便性の高い駅です。
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まとめ|広い市域と農業・海の恵みが共存するまち
鉾田市は、メロンをはじめとする農業と鹿島灘の海の恵みに支えられた、県内でも屈指の広さを持つまちだ。車移動が前提になる生活スタイルや、駅圏によって異なる地価水準など、検討する上で押さえておきたいポイントは多い。実家や所有する不動産の今後について迷っている場合も、まずは正確な情報を集めることから始めてほしい。
ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸では、鉾田市を含む茨城県内の売却・買取・空き家のご相談を承っている。「売る」「貸す」「そのまま持つ」、どの選択肢が合っているか迷う段階からのご相談も歓迎する。
出典:※1 茨城県統計課「市町村のデータ(鉾田市)」pref.ibaraki.jp/※2 鉾田市公式ホームページ「統計資料」city.hokota.lg.jp/※3 鹿島臨海鉄道株式会社公式サイト・乗換案内サービス実測/※4 鉾田市公式ホームページ「医療福祉」「子育て支援サイト はぐくむほこた」city.hokota.lg.jp/※5 JAほこた「ファーマーズマーケットなだろう」公表情報/※6 鉾田市観光物産協会公式サイトhokota-tpa.org/※7 鉾田市公式ホームページ「洪水津波ハザードマップ」「土砂災害ハザードマップ」city.hokota.lg.jp/※8 tochidai.info「鉾田市の土地価格相場・公示地価・基準地価マップ」tochidai.info(国交省公示地価データを集計)/※9 鉾田市公式ホームページ「空家等解体費補助金」
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