「親が住んでいた水戸市内の実家、これからどうすればいいのだろう」——相続をきっかけにこうした相談を受けることが、ここ数年で目に見えて増えています。住み続ける人がいない実家は、放置すれば空き家となり、庭木の越境や不法投棄、固定資産税の負担といった問題に発展しかねません。一方で、思い出の詰まった古民家を安易に手放したくないという気持ちも当然のことです。この記事では、水戸市で実家・古民家の相続に直面したときに知っておきたい選択肢と、判断のタイミングについて、地元で買取・仲介の両方を扱う立場から順を追って整理します。
水戸市で「実家をどうするか」に悩む人が増えている背景
水戸市の常住人口は265,037人、世帯数は128,700世帯です(茨城県常住人口調査、令和8年4月1日現在)。国勢調査ベースで見ると平成27年の270,783人がピークで、その後はゆるやかな微減傾向にあります。人口そのものは大きく減っていない一方、年齢別の内訳は15歳未満11.8%・15〜64歳60.2%・65歳以上27.9%(令和7年10月1日現在)で、単身高齢世帯や、子世代がすでに市外・県外に生活基盤を持つ世帯が一定の割合を占めるようになっています。こうした世帯構成の変化が、親の住まいを子が引き継ぐかどうかという「実家問題」を増やしている背景にあります。
水戸市も「空家等対策計画」を策定している
水戸市は2019年(平成31年)4月1日に「水戸市空家等対策の推進に関する条例」を施行し、2019(令和元)年度から2028(令和10)年度までの10年間を計画期間とする「水戸市空家等対策計画」を策定しています。条例第4条第2項では、空家等の所有者等の責務として「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理を行わなければならない」と明記されています。つまり実家を相続した時点で、住む・住まないにかかわらず管理責任は所有者に移るということです。窓口は市生活安全課空家空地活用係(Tel:029-224-1113)です。
相続した実家、まず考えたい3つの選択肢
実家を相続した場合、大きく分けて「住む・使う」「貸す・活用する」「売る」の3つの方向性があります。どれが正解ということはなく、家族構成やその家の状態、立地によって向き不向きが変わります。あわてて結論を出す前に、まずは実家の現状(築年数・耐震性・立地・相続人の人数)を整理することが第一歩です。

選択肢1:将来的に住む・別荘的に使う
子世代がいずれUターンする予定がある、あるいは週末だけ帰る拠点として使いたい場合は、定期的な換気・通水・庭木の手入れを続けながら維持する選択肢もあります。ただし人が住まない期間が長いほど傷みは早く進むため、最低でも月1回程度の見回りが目安になります。
選択肢2:空き家バンクなどで貸す・活用する
水戸市には「水戸市空き家バンク制度」があり、所有者から登録申込のあった空き家・空き地の情報を、利用したい方に紹介しています。移住・定住の促進や地域活性化が目的で、登録から現地確認、媒介業者の決定、全国版空き家バンクへの掲載という流れで進みます。ただし注意したい点として、相続登記が済んでいない土地・建物は空き家バンクに登録できません。市の公式Q&Aでも「相続人を決定したうえで相続登記を行うようお願いします」と明記されており、まず相続登記を終えることが活用の前提になります。また法人名義の不動産、すでに不動産業者に取引を依頼している物件も対象外です。
選択肢3:売却する(仲介・買取)
住む予定がなく、管理の負担だけが続く場合は、売却も現実的な選択肢です。水戸市内で買い手を探す「仲介」と、当社のような専門業者が直接買い取る「買取」があり、古民家や再建築不可物件、権利関係が複雑な物件では買取のほうがスムーズに進むケースもあります。特に相続人が複数いる場合、いつまでも「保留」にしていると、次の代でさらに相続人が増え、意思決定が難しくなる点には注意が必要です。
古民家ならではの3つの論点
水戸市内にも昭和以前に建てられた古民家・古い戸建てが点在しています。一般的な空き家と比べて、古民家には特有の論点があります。
相続がまだ発生しておらず、親が元気なうちに備えておきたいという方は、水戸市の古民家、相続する前に知っておきたい5つの条件【2026】もあわせてご参照ください。
耐震性と現行基準の違い
1981年(昭和56年)の新耐震基準より前に建てられた建物は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。住み続ける、あるいは活用するのであれば、耐震診断を受けたうえで必要な補強を検討することになります。一方、売却を選ぶ場合は、現況のまま「古家付き土地」として売る方法や、更地にしてから売る方法など複数の選択肢があります。
再建築不可・接道の確認
古い住宅地では、建築基準法上の道路に2メートル以上接していない「再建築不可」の土地も珍しくありません。この場合、建て替えができないため、そのままの状態での活用・売却を前提に検討する必要があります。登記簿や公図だけでは判断が難しいこともあるため、専門家による現地確認をおすすめします。
残置物・仏壇や神棚などの扱い
古民家には長年の生活の跡として、家具や日用品に加え、仏壇・神棚といった扱いに配慮が必要なものが残っていることが多くあります。処分の前にお性根抜き(魂抜き)などの供養を検討したい場合は、菩提寺や神社への相談が一般的です。買取を利用する場合でも、残置物の扱いについては事前に業者へ確認しておくとトラブルを避けられます。なお、再建築不可・共有名義・長期空き家といった「訳あり」の状態にある実家の売却については、「水戸市の訳あり物件売却|6分類の定義と買取のポイント」で類型ごとの査定ポイントを解説しています。
売却を考えたときの「税金」の基礎知識
相続した実家を売却する際に知っておきたい制度として、被相続人(亡くなった元所有者)の居住用家屋を相続した相続人が、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限る)または取壊し後の土地を譲渡した場合、譲渡所得から3,000万円が特別控除される制度があります。適用には家屋所在地の市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。制度の詳細な要件(相続開始直前に被相続人以外が居住していないことなど)は年度や個別事情によって異なるため、確定申告前に税務署または税理士へ確認することをおすすめします。
水戸市の住宅地の地価はどれくらい?
2026年(令和8年)の公示地価によると、水戸市の住宅地平均は目安として1平方メートルあたり約39,675円(坪単価は目安で約131,158円)、前年からの変動率は+0.00%とほぼ横ばいです。実家がどのエリアにあるかによって実際の相場は大きく変わるため、この数値はあくまで市全体の目安としてご理解ください。古民家や再建築不可物件の場合、土地としての評価と建物としての評価が切り離されることも多く、正確な金額を知るには個別の査定が欠かせません。
「とりあえず様子見」が一番コストのかかる選択になることも
実家をどうするか結論を急ぐ必要はありませんが、何も決めずに放置する期間が長くなるほど、建物の傷み・固定資産税の負担・近隣とのトラブルリスクは積み重なっていきます。水戸市内では、空き家の庭木や雑草の放置が近隣トラブルに発展したケースも報告されており、条例に基づく所有者の管理責任も明確化されています(詳しくは水戸市の空き家、雑草・庭木放置トラブルと対処法で解説しています)。「まだ決められない」という段階でも、選択肢を整理するために一度相談してみることには意味があります。
実家じまいで多い後悔と、その防ぎ方
実家じまいを経験した方からよく聞くのは、「もっと早く相談すればよかった」「兄弟間で話し合う前に片付けを始めてしまい揉めた」という声です。相続人が複数いる場合は、売却するにしても活用するにしても、まず相続人全員の意向をすり合わせておくことが後々のトラブル防止につながります。また、遺品や残置物の整理は精神的な負担が大きい作業でもあるため、無理に一人で進めず、専門業者への相談やご家族での分担を検討することをおすすめします。
よくある質問
Q1. 実家が空き家のままでも固定資産税はかかりますか?
はい、居住の有無にかかわらず、不動産を所有している限り固定資産税・都市計画税は課税されます。また、管理不全の状態が続き「特定空家等」に該当すると判断された場合、住宅用地の固定資産税の軽減特例が解除され、税額が上がる可能性もあります。詳しい判断基準は水戸市生活安全課にご確認ください。
Q2. 相続登記はいつまでにする必要がありますか?
2024年4月1日から相続登記が義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請をする必要があります。正当な理由なく期限内に申請しない場合、過料の対象となる可能性があります。水戸市の空き家バンクを利用する場合も相続登記の完了が前提となるため、早めの手続きをおすすめします。
Q3. 古民家は買取と仲介、どちらが向いていますか?
早期の現金化や、再建築不可・残置物が多い・権利関係が複雑といった事情がある場合は買取が向いています。一方、時間をかけてでも高値での売却を目指したい場合は仲介が選択肢になります。どちらが適しているかは物件の状態次第のため、査定時にあわせてご相談いただくのがおすすめです。
Q4. 空き家バンクに登録すれば必ず売れますか?
空き家バンクは物件情報を移住希望者などに紹介する制度であり、売却や賃貸を保証するものではありません。登録後に媒介業者が調査・媒介契約を行い、利用希望者からの問い合わせを待つ形になるため、時間がかかることもあります。早期の売却を希望する場合は、買取専門業者への相談もあわせて検討することをおすすめします。
Q5. 実家に仏壇や神棚が残っている場合、どう処分すればよいですか?
仏壇・神棚は「魂抜き」「お性根抜き」などの供養を行ったうえで処分するのが一般的です。菩提寺やお付き合いのある神社に相談すると案内してもらえます。買取業者に相談する場合も、残置物の中に仏壇・神棚が含まれる旨を事前に伝えておくとスムーズです。
Q6. 兄弟姉妹で実家の意見が割れています。どうすればいいですか?
相続人全員の合意がないと、売却も活用も進めることができません。まずは家族間で「住む人がいるか」「維持費を誰が負担するか」「売却する場合の分配方法」を話し合うことが必要です。話し合いが難航する場合は、司法書士や弁護士などの専門家を交えるか、不動産会社に査定額を出してもらい、具体的な数字をもとに話し合いを進める方法も有効です。
水戸市全体の暮らし・交通・地価については水戸市の住みやすさ完全ガイドでも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ|水戸市の実家、まずは現状把握から
水戸市で実家を相続した際の選択肢は、住む・貸す(空き家バンクなどで活用する)・売るの3つに大きく分けられます。どれを選ぶにしても、まずは相続登記を済ませ、建物の状態や再建築の可否といった現状を把握することが最初のステップです。「まだ結論は出ていないけれど、選択肢を知りたい」という段階でも、当店ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸では無料査定・ご相談を承っています。水戸市内の売却実績はお客様の声・売却査定実績のページでもご紹介していますので、あわせてご参照ください。
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