「実家の裏が斜面になっていて、市から『土砂災害警戒区域』というお知らせが来たことがある」「不動産の売却を考えているが、区域に入っていると聞いて家が建てられなくなるのではと心配」——水戸市は那珂川・桜川沿いの平地だけでなく、市内北部・西部を中心に崖地や斜面地も抱えており、土砂災害警戒区域・特別警戒区域に指定された住宅地が少なくありません。この記事では、水戸市の土砂災害警戒区域の基本と建築制限の実際、そして売却への影響を整理します。なお、水戸市の防災情報全般(洪水・土砂災害・津波ハザードマップの読み方や避難所の種類)は水戸市の防災・ハザードマップ完全ガイド【2026】で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
水戸市の土砂災害警戒区域とは|イエローとレッドの違い
土砂災害警戒区域等は、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(土砂災害防止法)にもとづき、茨城県知事が指定する区域です。急傾斜地の崩壊・土石流・地滑りのおそれがある区域を対象に、大きく2種類に分かれています。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)
土砂災害が発生した場合に住民の生命または身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域です。区域に指定されると、市町村地域防災計画に警戒避難体制に関する事項が定められ、住民への周知や避難体制の整備が進められます。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
イエローゾーンのうち、建築物に損壊が生じ住民に著しい危害が生じるおそれがあると認められる、より危険度の高い区域です。レッドゾーンでは、後述するとおり建築物の構造や開発行為に一定の規制がかかる点がイエローゾーンと大きく異なります。
水戸市内の指定状況
水戸市の防災情報サイトによると、水戸市内では茨城県が指定した土砂災害警戒区域・特別警戒区域が52か所あり、飯富・渡里と常磐・見川・新荘・千波と浜田・緑岡・稲荷第一と下野・大場などのエリアごとに8枚に分割してハザードマップが作成されています(令和6年3月の区域見直しを受けて改訂)。ご自身の物件がどちらに該当するかは、後述の方法で必ず個別に確認してください。

レッドゾーンにかかると「家が建てられない」って本当?
結論から言うと、レッドゾーン内であっても建物を新築・増改築すること自体は可能です。ただし、通常の建物より厳しい構造基準を満たす必要があります。「建てられない」というより「特別な構造でなければ建てられない」というのが正確な理解です。
建築基準法施行令第80条の3による構造規定
水戸市公式サイト(建築指導課)によると、土砂災害特別警戒区域内に居室を有する建築物を建築する場合は、建築基準法施行令第80条の3による構造規定が適用されます。土砂災害の発生原因となる自然現象により想定される衝撃が建築物に作用した場合でも、破壊が生じないものとして国土交通大臣が定めた構造方法(鉄筋コンクリート造の壁を設けるなど)を用いる必要があります。
増築・改築でも対象になる
この構造規定は新築だけでなく、増築および改築の場合にも適用される点に注意が必要です。売却後に買主がリフォームや増築を検討している場合、区域内であることを正確に伝えておかないと、後からトラブルになりかねません。
イエローゾーンの建築制限はどうなっている?
原則として建築確認上の構造規制はない
イエローゾーンは、レッドゾーンのような建築物の構造規制の対象ではありません。建築確認申請において特別な構造方法を求められることは原則としてなく、通常の建築確認の範囲内で建築が可能です。
都道府県知事による移転等の勧告(法第24条)
ただし、土砂災害防止法第24条では、著しい危険が切迫していると認められる建築物の所有者等に対し、都道府県知事が安全な区域への移転等を勧告できる規定があります。強制力を伴うものではありませんが、区域の性質を理解したうえで居住・売却を検討することが大切です。
レッドゾーンでの開発行為は許可制になる
レッドゾーン内で住宅等の建築を目的とした宅地の造成(切土・盛土など)を行う場合は、都道府県知事の許可を受ける「特定開発行為」の対象となります。造成計画が急傾斜地の崩壊等を防止するための擁壁の設置基準を満たしているかなど、通常の宅地造成よりも審査が厳格になる点も押さえておきましょう。
自分の土地が区域に入っているか確認する3つの方法
水戸市ハザードマップ・水戸市Webハザードマップ
水戸市の防災情報サイトで公開されているPDF版のハザードマップ、および住所を入力して地図上で確認できる「水戸市Webハザードマップ」から確認できます。
いばらきデジタルマップ
茨城県が提供する地理情報システムで、土砂災害警戒区域等の指定範囲を地図上に重ねて確認できます。
茨城県の指定箇所ページ(土木部河川課)
区域の指定自体は茨城県(土木部河川課)が行っているため、県の公式ページからも指定箇所の一覧・図面を確認できます。より正確な境界線を知りたい場合は、水戸市建築指導課(審査第1係)に直接問い合わせる方法も確実です。

売却時に必ず必要になる「重要事項説明」
宅建業法上、説明が義務づけられている
土砂災害警戒区域・特別警戒区域に該当する物件を売買する際は、宅地建物取引業法にもとづく重要事項説明の対象事項です。仲介する宅地建物取引業者は、区域内に該当するかどうかを調査し、買主に対して書面で説明しなければなりません。
告知しないとどうなる?
説明義務を怠ったまま契約が成立すると、後から契約不適合や説明義務違反を理由にトラブルへ発展するおそれがあります。売主自身も「知らなかった」では済まされないため、売却の初期段階で区域指定の有無を調べておくことをおすすめします。
区域内の不動産は売れる?売却への影響
価格への影響の目安
区域指定があるからといって売却できないわけではありません。ただし、イエローゾーンよりもレッドゾーンのほうが、買主に与える心理的な影響や住宅ローン審査への影響が大きくなる傾向はあります。実際の価格への影響は立地・建物状態・周辺相場によって幅があるため、一律の下落率を示すことはできません。
買主が住宅ローンを組みにくいケースがある
金融機関によっては、レッドゾーン内の物件に対して融資の可否や条件を慎重に判断する場合があります。買主の資金計画に影響しうる点は、売却活動を始める前に把握しておきたいポイントです。
実際に取引されているケースも多い
一方で、水戸市内には昔からの住宅地に区域指定がかかっているケースも多く、区域内というだけで取引自体が成立しないわけではありません。正確な情報を開示したうえで、適正な条件で売却されている事例は珍しくありません。
区域指定が解除・変更されることはある?
土砂災害警戒区域等は、地形の変化や新たな調査結果、防災工事(急傾斜地崩壊防止工事など)の実施によって、指定が変更・解除されることがあります。水戸市のハザードマップも令和6年3月に区域の見直しを受けて改訂された経緯があるため、過去に確認した情報のまま判断せず、売却前に最新の指定状況を確認することが重要です。
水戸市で土砂災害警戒区域内の家を売る方法
仲介で時間をかけて売る
区域外の物件と同様、仲介での売却も可能です。ただし、条件に合う買主を見つけるまで時間がかかる場合があるため、告知事項を整理したうえで余裕を持ったスケジュールで臨むことが大切です。
告知事項をきちんと開示して信頼を得る
区域指定の有無、レッドゾーンかイエローゾーンか、擁壁の有無や状態など、わかっている情報を早い段階で開示することで、後々のトラブルを防ぎ、買主からの信頼にもつながります。
買取専門店に相談する
「時間をかけずに現金化したい」「複雑な告知事項の整理が不安」という場合は、区域内の物件の取り扱い実績がある買取専門店に相談する方法もあります。ハウスドゥ 県庁水戸では、水戸市内の区域指定物件についても現況を踏まえた査定を行っています。
よくある質問
水戸市の土砂災害警戒区域はどこで確認できますか?
水戸市の防災情報サイトで公開されている「水戸市ハザードマップ」「水戸市Webハザードマップ」、茨城県の「いばらきデジタルマップ」、または茨城県土木部河川課の指定箇所ページから確認できます。より正確な境界を知りたい場合は水戸市建築指導課への問い合わせが確実です。
レッドゾーンに指定されると家は建てられなくなりますか?
建てられなくなるわけではありません。建築基準法施行令第80条の3にもとづく構造規定を満たせば、新築・増築・改築とも可能です。ただし通常の建物より構造上の対応(鉄筋コンクリート造の壁の設置など)が必要になります。
イエローゾーンとレッドゾーンで建築制限に違いはありますか?
イエローゾーンは原則として建築確認上の構造規制の対象ではありません。レッドゾーンのみ、居室を有する建築物に構造規定が適用され、宅地造成を伴う開発行為は都道府県知事の許可制となります。
土砂災害警戒区域内の物件を売却するとき、説明義務はありますか?
あります。宅地建物取引業法にもとづき、仲介業者は区域指定の有無を調査し、重要事項説明として買主に書面で説明する義務があります。売主も早い段階で情報を整理しておくことが大切です。
区域内の不動産は住宅ローンを組みにくいのですか?
金融機関や物件の状況によります。レッドゾーン内の物件では融資の可否や条件を慎重に判断されるケースがあるため、買主の資金計画に影響する可能性がある点は理解しておく必要があります。
区域指定が解除されることはありますか?
あります。地形の変化や新たな調査、防災工事の実施等により指定が変更・解除される場合があります。水戸市のハザードマップも直近では令和6年3月に見直しが行われているため、売却前は必ず最新情報を確認してください。
まとめ
水戸市では、土砂災害警戒区域だけでなく液状化リスクと地盤についても売却前に押さえておきたいポイントです。水戸市内には土砂災害警戒区域・特別警戒区域に指定された住宅地が52か所あり、レッドゾーンでは建築物の構造規定や開発許可など一定のルールがあります。とはいえ、区域内だからといって売却できないわけではなく、正確な情報を早めに整理して開示することが、スムーズな売却への近道です。水戸市の防災情報全般については水戸市の防災・ハザードマップ完全ガイド【2026】もあわせてご確認ください。区域指定物件の売却でお悩みの方は、ハウスドゥ 県庁水戸まで無料でご相談ください。
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。



