「実家が空き家のまま、市の『空き家バンク』に登録すればいいと聞いたけれど、誰でも登録できるの?」「仲介や買取とは何が違うの?」——空き家バンクは、水戸市をはじめ茨城県内のほぼすべての市町村で実施されている制度ですが、無料で登録できる代わりに「登録すれば必ず売れる」制度ではありません。この記事では、国土交通省・水戸市などの一次情報をもとに、空き家バンクの仕組み・登録条件・メリットとデメリット、そして仲介・買取との違いまでを整理します。水戸市・鹿嶋市など市町村ごとの詳しい登録条件は、それぞれの個別記事もあわせてご確認ください。
空き家バンクとは何か
空き家バンクとは、各市区町村が、所有者から登録の申込みがあった空き家・空き地の情報を、利用したい人に紹介する制度です。自治体が運営していますが、多くの場合、実際の売買・賃貸借の交渉は所有者と利用希望者、または媒介に入る宅地建物取引業者が行い、自治体自身は「情報を紹介する窓口」という位置づけになります。
自治体ごとの空き家バンクと「全国版空き家・空き地バンク」の関係
空き家バンクは市区町村単位で運営されていますが、自治体ごとにサイトが分かれていると利用者が探しにくいという課題がありました。そこで国土交通省の主導で構築されたのが「全国版空き家・空き地バンク」です。参加自治体の空き家バンク情報を横断的に検索できるポータルで、株式会社LIFULLとアットホーム株式会社の2社が国の補助を受けて運営しています。試行運用は2017年10月、本格運用は2018年4月から始まりました。
国はどこまで関わっているのか
全国版空き家・空き地バンクの日常的な運営は前述の2民間事業者が担っており、国土交通省は構築費用の一部補助や、参加自治体の状況・成約件数などの集計・公表といった形で関与しています。市区町村の窓口で直接手続きする点は変わらず、国が個別の物件を仲介するわけではありません。
参加自治体数・掲載件数の実績
国土交通省の発表資料によれば、2019年2月時点で全国版空き家・空き地バンクには603自治体が参加し、9,000件を超える空き家情報が掲載され、累計1,900件を超える物件が成約に至ったとされています(数値は発表当時のものです)。その後も制度の高機能化が進められており、参加自治体・掲載件数は拡大傾向にあります。
空き家バンクに登録できる物件の条件
空き家バンクは「空き家であれば何でも登録できる」制度ではありません。自治体ごとに細かな違いはありますが、水戸市の例をもとに代表的な条件を見てみましょう。
登録できる物件の目安
個人が所有する空き家・空き地で、現在使用していない、またはおおむね半年以内に使用しなくなる予定の物件が対象です。居住用の建物を建築できる土地であることも条件になります。
登録できない物件の目安
法人名義の不動産、賃貸用のアパート・マンション、すでに不動産業者に取引を依頼している物件、相続登記が未完了の物件、著しく損傷した建物などは対象外となるのが一般的です。相続登記は2024年4月から義務化されているため、相続が絡む実家を登録したい場合は、まず相続登記を済ませておく必要があります。
共有名義や農地の扱い
共有名義の不動産は登録できますが、代表者が申込書を提出したうえで共有者全員の同意書が必要になるのが一般的です。一方、農地は「居住用建物を建てられない土地」に該当するため、空き家バンクの対象外となり、農地法に沿った売却手続きを別途検討する必要があります。
空き家バンク登録の流れ(所有者向け・6ステップ)
水戸市の例では、登録から契約成立までおおむね次の6ステップで進みます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 相談・登録申込 | 自治体窓口へ相談のうえ、登録申込書と必要書類を提出 |
| 2. 現地調査 | 自治体職員が物件を現地確認 |
| 3. 媒介業者の決定 | 物件の媒介にあたる宅地建物取引業者が決まる |
| 4. 媒介契約・物件調査 | 媒介業者が物件を調査し、媒介契約を締結 |
| 5. 全国版空き家・空き地バンクへ掲載 | 物件情報が全国版バンク(at home・LIFULL HOME’S等)にも掲載される |
| 6. 交渉・契約成立 | 利用希望者からの問合せをもとに交渉し、合意すれば契約 |

登録期間の目安
全国版空き家バンクへの掲載期間は、登録年度の翌々年度末までとされているケースが多く、期限が来ても延長できる自治体が一般的です。「登録すればずっと掲載され続ける」わけではない点は覚えておきたいポイントです。
登録・利用登録にかかる費用
登録・利用登録そのものは無料である自治体がほとんどです。ただし、実際に売買や賃貸借の契約が成立したときは、媒介を行った宅地建物取引業者に仲介手数料を支払う必要があります。「登録は無料だが、成約時は通常の仲介と同じ費用がかかる」と理解しておくと誤解がありません。
空き家バンクを利用するメリット
掲載費用がかからない
自治体運営で営利目的ではないため、物件情報の掲載に広告費はかかりません。まずは費用をかけずに反響を見てみたい所有者に向いています。
資産価値が低い物件でも掲載されやすい
民間の不動産会社では取り扱いを断られやすい、資産価値の低い空き家でも、自治体の条件を満たせば掲載の対象になります。
移住・定住希望者など、通常より広い層に届く可能性がある
全国版空き家・空き地バンクに掲載されることで、地元の不動産会社に相談するだけでは接点を持ちにくい、県外からの移住・定住希望者の目に触れる可能性が高まります。自治体によっては、空き家バンク登録者向けの改修費・解体費補助金など、経済的な支援制度を用意している場合もあります。
空き家バンクのデメリット・注意点
交渉は所有者自身が行う必要がある
自治体は情報の掲載までが基本的な役割で、利用希望者との価格交渉や条件のすり合わせは、所有者自身(または媒介業者を通じて)行う必要があります。
自治体による積極的な営業活動はない
不動産会社のように、購入希望者を能動的に探して紹介してくれるわけではありません。掲載後は基本的に問い合わせを待つ形になります。
契約後のトラブルは所有者の自己責任になりやすい
個人間取引に近い性質があるため、契約後に生じたトラブルへの対応は、原則として所有者自身が担うことになります。
成約までの期間が読みにくい
問い合わせ状況は物件次第で、掲載期間中まったく反響がないケースもあれば、比較的早く成約するケースもあります。「いつまでに売りたい」という期限がある場合は、この不確実性を踏まえて判断する必要があります。
空き家バンクと仲介・買取の違い|どちらが向いている?
空き家バンクは、仲介や不動産会社の買取と何が違うのでしょうか。主な違いを整理すると次のとおりです。

早く確実に現金化したいなら買取
再建築不可、共有名義のまま、遠方で管理が難しいといった「訳あり」の事情がある実家は、空き家バンクでは利用希望者がつきにくいことがあります。急いで現金化したい場合や、まず手放す方針を固めたい場合は、買取専門店へ直接相談したほうがスムーズに進むケースが少なくありません。
市場相場に近い価格で売りたいなら仲介
時間に余裕があり、市場価格に近い金額での成約を目指すなら、不動産会社を通じた仲介での売却が選択肢になります。
費用をかけずにまず様子を見たいなら空き家バンク
「今すぐ売る決心はついていないが、選択肢は広げておきたい」という場合、掲載無料の空き家バンクに登録しておき、並行して仲介・買取の査定も受けておくという進め方も可能です。
茨城県・水戸市周辺20市町村の空き家バンク実施状況
茨城県が公開している一覧によると、水戸市を含む県央・県北・鹿行エリアの水戸市・笠間市・小美玉市・茨城町・大洗町・城里町・東海村・那珂市・ひたちなか市・鉾田市・行方市・鹿嶋市・潮来市・神栖市・大子町・常陸大宮市・常陸太田市・日立市・高萩市・北茨城市の20市町村は、いずれも空き家バンク制度を実施しています。窓口や登録条件は市町村ごとに異なるため、対象エリアで検討している場合は、各自治体のページで最新の条件を確認するのが確実です。
水戸市の空き家バンク
水戸市生活安全課空家空地活用係が窓口です。登録条件・流れの詳細は、水戸市の空き家バンク|登録条件と活用までの流れ【2026年】で詳しく解説しています。
鹿嶋市の空き家バンク
鹿嶋市では、電子申請での登録や、解体費用・改修費用の補助制度(既存ストック利活用補助金)が用意されています。詳しくは鹿嶋市の空き家バンク|登録条件と活用までの流れ【2026年】をご覧ください。
その他の市町村について
笠間市・小美玉市・茨城町・大洗町・城里町・東海村・那珂市・ひたちなか市など、その他の市町村についても、窓口となる担当課(都市計画課・まちづくり推進課など、自治体によって名称が異なります)へ問い合わせることで、登録条件や活用できる補助金の確認が可能です。
空き家バンクで売れない・登録できないときの選択肢
空き家バンクは万能の解決策ではありません。登録条件を満たさない場合や、登録しても利用希望者が現れない場合には、次のような選択肢があります。
不動産会社の仲介で売却する
市場価格に近い金額での売却を目指すなら、地域の売却相場に詳しい不動産会社への仲介依頼が基本の選択肢になります。
買取専門店に直接売却する
ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸のような買取専門店であれば、空き家バンクでは敬遠されがちな再建築不可・訳あり物件・遠方で管理が難しい実家でも、自社で直接買い取るため、最短数日〜数週間での現金化が可能です。相続登記や残置物の整理といった準備段階からご相談いただくこともできます。
解体してから土地として売却する
老朽化が進んだ空き家は、解体して更地にしたほうが買い手がつきやすい場合もあります。解体費用と売却後の手取りのバランスは、物件ごとに査定のうえ判断することをおすすめします。
農地が絡む場合は農地法の手続きが必要
空き家に付随する土地が農地の場合、空き家バンクの対象外になるだけでなく、売却そのものにも農地法上の許可が必要です。詳しくは農地の転用とは?農地法3条・4条・5条の許可と売却までの流れ【茨城県版】をご確認ください。また、市街化調整区域内の空き家は建て替えなどに制限がある場合があるため、市街化調整区域の不動産売却|売れる?制限・費用・相続した場合までもあわせてご参照ください。
よくある質問
Q1. 空き家バンクは誰でも登録できますか?
A. いいえ。多くの自治体では、個人所有であること、相続登記が完了していること、賃貸用でないことなど、一定の条件を満たす必要があります。法人名義の不動産や、すでに不動産業者に取引を依頼している物件は登録できないのが一般的です。
Q2. 空き家バンクの利用に費用はかかりますか?
A. 登録・利用登録そのものは無料である自治体がほとんどです。ただし、売買や賃貸借の契約が成立したときは、媒介した宅地建物取引業者への仲介手数料が発生します。
Q3. 空き家バンクに登録すると、売れるまでどのくらいかかりますか?
A. 物件や地域によって大きく異なり、数ヶ月で成約するケースもあれば、1年以上反響がないケースもあります。自治体は積極的な営業を行わないため、成約までの期間は読みにくい傾向があります。
Q4. 空き家バンクと不動産会社(仲介・買取)を両方使うことはできますか?
A. すでに不動産業者に取引を依頼している物件は空き家バンクに登録できない自治体が多いため、基本的にはどちらか一方を選ぶ必要があります。まず空き家バンクの登録可否や条件を確認したうえで、仲介・買取の査定も並行して比較検討するとよいでしょう。
Q5. 空き家バンクに掲載しても売れない場合はどうすればいいですか?
A. 登録を続けながら反響を待つ方法のほか、登録を取り下げて仲介での売却に切り替える方法、早期の現金化を優先して買取専門店に相談する方法があります。事情に応じて選択肢を組み合わせることも可能です。
Q6. 農地だけの土地でも空き家バンクに登録できますか?
A. 居住用の建物を建築できない農地は、多くの自治体で空き家バンクの対象外です。農地の売却・転用を検討する場合は、農地法に基づく別の手続きが必要になります。
Q7. 空き家バンクの物件を買う側にも条件はありますか?
A. あります。定住や定期的な滞在の意思があること、地域住民と協調して生活できることなどが求められるのが一般的で、転売・転貸目的での利用はできません。
まとめ|空き家バンクは「無料の選択肢」、判断に迷ったら査定を
- 空き家バンクは自治体が空き家・空き地の情報を紹介する制度で、登録・利用登録は無料な自治体が多い
- 個人名義・相続登記済み・賃貸用でないことなど、登録には条件がある
- 掲載しても自治体は積極的な営業を行わず、成約を保証する制度ではない
- 茨城県内は水戸市周辺20市町村すべてで空き家バンクが実施されている
- 早く確実に現金化したい・訳ありの事情がある場合は、買取専門店への相談も選択肢になる
「うちの実家は空き家バンクに向いているのか」「登録より先に売却したほうが早いのか」といった判断に迷ったら、まずは無料査定でご相談ください。水戸市・県央・県北・鹿行エリアの空き家・実家の売却は、地元密着のハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸にお任せください。
店舗情報|ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸
| 店舗名 | ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸 |
| 運営会社 | 株式会社トーマン |
| 免許番号 | 茨城県知事(1)第7579号 |
| 所在地 | 〒310-0853 茨城県水戸市平須町1820-475 エムロード21 C1階 |
| 営業時間 | 8:00〜21:00(年中無休) |
| 対応エリア | 水戸市を中心に、ひたちなか市・笠間市・那珂市・茨城町・大洗町ほか県央・県北・鹿行エリア |
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