「久慈川と那珂川、二つの川に育まれたまちで暮らす」——常陸大宮市の公式サイトは、この街を「川面のきらめき、里山を吹く風 五感が満足するくらし」と紹介しています。水戸市中心部からJR水郡線で北へ向かうと、車窓の景色はビルから田園、そして里山へと少しずつ表情を変えていきます。市の面積のおよそ6割を山林が占める一方、常陸大宮駅周辺の市街地には生活施設がまとまっており、「自然の近さ」と「暮らしの便利さ」を両立できるのがこの街の持ち味です。

本記事では、常陸大宮市への転入・住み替えを検討している方に向けて、人口動態や交通アクセス、子育て支援制度、防災情報、そして気になる地価の動きまで、公式情報をもとに整理してお伝えします。あわせて、いずれ訪れるかもしれない「住まいの売却」という選択肢についても、地元の不動産会社としての視点を交えて解説します。

常陸大宮市の基本データ|人口・世帯・地域構成

常陸大宮市は2004年(平成16年)、旧大宮町・美和村・緒川村・山方町・御前山村の1町3村1町が合併して誕生した市です。現在も行政区分としては「大宮地域」「山方地域」「美和地域」「緒川地域」「御前山地域」の5地域に分かれており、それぞれに異なる集落の表情が残っています。

常陸大宮市公式ホームページが公表する最新の常住人口調査(令和8年7月1日現在)によると、市の人口と世帯数は次のとおりです。

  • 常陸大宮市全体:35,348人(男17,480人・女17,868人)/世帯数15,503世帯
  • 大宮地域:22,898人/世帯数は大宮地域だけで1万世帯超と、市の中心部に人口が集中

市の人口はゆるやかな減少傾向にあり、令和2年度の39,512人と比べると令和8年は35,348人まで減っています。この点は正直にお伝えする必要がありますが、一方で市街地である大宮地域には引き続き人口・世帯が集積しており、生活インフラの維持という点では大きな不安要素にはなりにくい構造です。むしろ「空き家や実家をどうするか」という相談が増えている局面とも言え、この点は後半でもう一度触れます。

交通アクセス|水郡線と国道で水戸・県北をつなぐ

JR水郡線が市の背骨

常陸大宮市の公共交通の中心は、水戸駅と福島県の郡山駅を結ぶJR水郡線です。市内には常陸大宮駅をはじめ複数の駅があり、水戸駅までは普通列車で約31〜41分(運賃530円・乗換なし)というのが実測値です。通勤・通学で毎日水戸市街へ通う場合も、無理のない範囲に収まる距離感といえます。

市内に高速道路のICはない

一方で正直にお伝えしておきたいのが、常陸大宮市内には高速道路のインターチェンジがないという点です。車で高速道路を利用する場合、最寄りは常磐自動車道の那珂IC(那珂市)で、市中心部からおおむね20〜30分程度かかります。日常の移動は国道118号(水戸市方面・大子町方面)や国道293号が幹線となっており、車社会である点は県北の他の市町村と共通しています。

大子町・那珂川町方面への「玄関口」という立地

常陸大宮市は北で大子町、東で那珂川町(栃木県)と接しており、国道118号を北上すれば袋田の滝で知られる大子町へ、水郡線をさらに北へ進めば福島県方面へとつながります。県北エリアや那珂川流域を訪れる際の中継地点としての性格も持ち合わせており、この立地の良さが「里山なのに孤立していない」という常陸大宮市らしさにつながっています。

子育て・教育環境|医療費助成と住宅取得の後押し

マル福(医療福祉費支給制度)

常陸大宮市公式ホームページによると、市では令和5年10月1日より、妊産婦および小児区分の医療福祉費助成(マル福)について所得制限を撤廃しました。これにより、所得にかかわらずすべての妊産婦とお子さんが医療費助成を受けられる体制になっています(対象範囲や自己負担の詳細は市の最新の案内でご確認ください)。

住宅取得を後押しする奨励金制度

常陸大宮市では「定住促進のための住宅取得奨励金」を設けており、子育て世帯・新婚世帯などが市内に住宅を取得した場合に奨励金を交付しています。あわせて新婚世帯向けの家賃・引っ越し費用の助成(結婚新生活支援事業)も実施されています。ただし交付要件や金額は年度によって改定されているため、実際の利用にあたっては常陸大宮市の該当ページで最新の要綱を確認することをおすすめします(本記事では制度の存在と大枠のみをご紹介し、変動しうる金額の断定は避けています)。

教育施設

市内には小学校・中学校が複数校あり、常陸大宮市立大宮中学校や大宮小学校など、大宮地域を中心に教育施設がまとまっています。通学区域や最新の児童数については、常陸大宮市教育委員会の案内をご確認ください。

買い物・生活利便|市街地に集約された商業機能

常陸大宮市の商業機能は、常陸大宮駅を中心とした大宮地域の市街地に集まっています。スーパーマーケットやドラッグストア、飲食店などは大宮地域内で日常の買い物が完結しやすく、市公式サイトも「市街地には施設が集中しており、利便性が高いのも魅力」と説明しています。一方で美和・緒川・御前山など周辺地域では、車での移動が前提となる場面も多く、この点は里山エリアに共通する事情です。

道の駅常陸大宮 かわプラザは、地元産の農産物や特産品を扱う施設として定着しており、市民の買い物先としてだけでなく、来訪者の立ち寄りスポットにもなっています。

自然・レジャー・地域の行事

久慈川・那珂川と山あいの公園

常陸大宮市は東を久慈川、南を那珂川が流れる水資源に恵まれたまちです。市内の花立自然公園や辰ノ口親水公園は、家族での散策や川遊びの場として利用されています。山林が市域の約6割を占めるため、キャンプ場や登山(御前山方面)など、アウトドアレジャーの選択肢も豊富です。

地域に根づく祭り

大宮地域の夏祭り(祇園祭)をはじめ、上小瀬祇園祭など地区ごとに歴史ある祭礼が受け継がれています。またユネスコ無形文化遺産の候補にもなった「西塩子の回り舞台」のように、江戸時代から続く伝統芸能が保存されている点も、この地域の文化的な厚みを物語っています。

治安・防災|洪水・土砂災害ハザードマップは5地域版

常陸大宮市公式ホームページでは「常陸大宮市ウェブ版防災・ハザードマップ」を公開しており、洪水・土砂災害・地震(揺れやすさ)の3種類のマップを地図上で確認できます。あわせて紙媒体のハザードマップも、大宮・山方・美和・緒川・御前山の5地域版でそれぞれ整備されています。

久慈川・那珂川という2つの一級河川が市内を流れているため、河川沿いの区域では洪水浸水想定区域が指定されています。住宅の購入や建築を検討する際は、対象地がどの地域版ハザードマップに該当するか、また浸水想定区域・土砂災害警戒区域に含まれていないかを、市公式サイトで事前に確認することを強くおすすめします。

エリア別の特徴|5つの地域それぞれの表情

大宮地域

常陸大宮駅を中心とした市の中心市街地。市役所や商業施設、学校が集まり、人口・世帯数とも市内最大の地域です。通勤・通学や日常の買い物のしやすさを重視するなら、まず候補にしたいエリアといえます。

山方地域・美和地域

久慈川沿いに広がるエリアで、川と山に囲まれた景観が特徴です。市街地までは車での移動が中心になりますが、自然に近い暮らしを求める方には魅力的な選択肢です。

緒川地域・御前山地域

市の南部・西部に位置し、御前山県立自然公園などの豊かな自然環境が広がるエリアです。里山の暮らしをそのまま体感できる一方、生活施設へのアクセスは車が前提となります。

常陸大宮市 暮らし 基礎データ早見表 mito-housedo.com

常陸大宮市の基礎データ早見表(2026年時点・出典:常陸大宮市公式ホームページ、tochidai.info)

常陸大宮市の住まいの相場|2026年公示地価の動き

不動産情報サイトtochidai.infoが集計する国土交通省地価公示のデータによると、常陸大宮市の2026年(令和8年)公示地価平均は21,666円/平方メートル・坪単価71,625円で、前年比+0.41%とわずかに上昇しています。過去数年は横ばいからわずかな下落基調が続いていましたが、2025年から2026年にかけては下げ止まりの兆しが見えるという状況です。

ただしこの数値はあくまで市全体の公示地価平均であり、大宮地域の駅周辺と山間部の御前山地域とでは、当然ながら実勢価格に大きな開きがあります。ご自身の土地・建物がどの程度の価値になるかは、エリアごとの取引事例を踏まえた個別の査定でなければ正確には分かりません。「目安」として捉えていただくのがよいでしょう。

常陸大宮市で住まいと向き合うときに知っておきたいこと

先にお伝えしたとおり、常陸大宮市の人口はゆるやかな減少局面にあります。これは裏を返せば、親世代が暮らしてきた実家や、空き家になった住宅の扱いについて、今後ますます多くのご家庭が向き合うことになるテーマだということです。

「実家を相続したが遠方に住んでいて管理が難しい」「空き家のまま放置すると固定資産税や老朽化のリスクが心配」——常陸大宮市に限らず、県北エリアでよくいただくご相談です。売却するにしても、まずは今の住まいがどのくらいの価値になるのか、地域の取引実態を踏まえて把握しておくことが、落ち着いて判断するための第一歩になります。

ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸店では、常陸大宮市を含む茨城県央・県北エリアの売却・買取のご相談を承っています。「売るかどうかまだ決めていない」という段階でも構いませんので、まずは無料査定から情報収集していただければと思います。

常陸大宮市エリアの不動産売却・買取について詳しくは、常陸大宮市の不動産売却・買取・査定ページもあわせてご覧ください。

すでに空き家の解体を検討している場合は、常陸大宮市の空き家 解体補助金は50万円|条件と売却の順番【2026】もあわせてご参照ください。解体前に確認しておきたい補助金の条件と、売却との順番について解説しています。

よくある質問

Q1. 常陸大宮市はどんなまちですか?

A. 2004年に1町3村1町が合併して誕生した市で、久慈川・那珂川に囲まれた自然豊かなエリアです。市面積の約6割を山林が占める一方、常陸大宮駅周辺の市街地には生活施設が集まっており、自然と利便性を両立できるのが特徴です。

Q2. 常陸大宮市の人口はどのくらいですか?

A. 常陸大宮市公式ホームページによると、令和8年7月1日現在の常住人口は35,348人、世帯数は15,503世帯です。人口はゆるやかな減少傾向にありますが、市街地である大宮地域には引き続き人口・世帯が集積しています。

Q3. 水戸駅までどのくらいかかりますか?

A. JR水郡線の普通列車で約31〜41分(乗換なし・運賃530円)が実測の目安です。通勤・通学の距離としては無理のない範囲に収まります。

Q4. 高速道路は使えますか?

A. 常陸大宮市内には高速道路のインターチェンジがありません。車で高速道路を利用する場合、最寄りは常磐自動車道の那珂IC(那珂市)で、市中心部からおおむね20〜30分程度が目安です。

Q5. 子育て支援制度にはどのようなものがありますか?

A. 令和5年10月から妊産婦・小児区分のマル福(医療福祉費助成)が所得制限なしとなりました。また子育て・新婚世帯向けの住宅取得奨励金や、結婚新生活支援事業(家賃・引っ越し費用助成)も用意されています。金額や要件は改定されることがあるため、利用時は市の最新情報をご確認ください。

Q6. 洪水や土砂災害のリスクはどこで確認できますか?

A. 常陸大宮市公式ホームページの「常陸大宮市ウェブ版防災・ハザードマップ」で、洪水・土砂災害・地震(揺れやすさ)のマップを確認できます。紙媒体も大宮・山方・美和・緒川・御前山の5地域版で整備されています。住宅購入前には該当地域のマップを必ずご確認ください。

Q7. 常陸大宮市の地価は上がっていますか?

A. tochidai.info(国交省地価公示集計)によると、2026年の公示地価平均は21,666円/平方メートルで、前年比+0.41%とわずかに上昇しています。ただし市全体の平均値であり、エリアによって実勢価格には差があるため、あくまで目安としてご参照ください。

まとめ

常陸大宮市は、久慈川・那珂川という二つの川と里山に囲まれながら、市街地には生活施設が集まっているというバランスの取れたまちです。水戸駅まで水郡線で約30〜40分というアクセスの良さを保ちつつ、県北・大子町方面への玄関口としての立地も備えています。子育て世帯向けの医療費助成や住宅取得奨励金など、定住を後押しする制度も整いつつあります。

一方で人口はゆるやかな減少局面にあり、実家や空き家をどう扱うかという課題に直面するご家庭も増えてくると予想されます。住まいを「持ち続ける」か「手放す」かで迷ったときは、まず現在の価値を知ることから始めてみてください。

人口の推移|大宮地域への集中がゆるやかに進む

常陸大宮市公式ホームページが公表する常住人口調査の推移を見ると、令和2年度の39,512人(世帯16,061)から、令和5年度37,681人(世帯15,647)、令和8年7月現在35,348人(世帯15,503)と、この数年で緩やかな減少が続いています。一方で世帯数の減り方は人口の減り方よりゆるやかで、これは一世帯あたりの人数が少なくなっている、つまり単身世帯や高齢者のみの世帯が増えていることを示唆しています。

地域別に見ると、市の中心である大宮地域は令和8年7月時点で22,898人と、市全体の約65%を占めています。山方・美和・緒川・御前山の各地域は人口規模が小さく、より里山らしい暮らしが色濃く残るエリアです。住まいを探す際は、生活利便性を重視するなら大宮地域、自然環境を重視するなら周辺地域、という大まかな住み分けの目安になります。

車社会での暮らし方

県北エリア全般に言えることですが、常陸大宮市も生活の足として自家用車が中心の地域です。日常の買い物や通院、子どもの送り迎えなど、車を1台以上保有している世帯が大半を占めるとみられます。市街地である大宮地域では徒歩・自転車での生活も可能な範囲に施設がまとまっていますが、周辺地域では車移動が前提となる点は、移住や住み替えを検討する際にあらかじめ押さえておきたいポイントです。

公共交通としては水郡線に加えて、市が運行するデマンド型乗合タクシーなどの生活交通も整備されています(運行エリア・料金などの詳細は常陸大宮市公式サイトでご確認ください)。

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